超解像イメージングシステム「SpinSR10」高検出モデルを発売通常モデル比約3倍の明るさで、高画質なライブセルイメージングを実現

2018年11月1日


超解像イメージングシステム「SpinSR10」高検出モデル


オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、科学事業の新製品として、通常モデル比約3倍の明るさで観察できる超解像イメージングシステム「SpinSR10」高検出モデルを2018年12月から全世界(一部地域を除く)で発売予定です。

超解像顕微鏡は従来の光学顕微鏡の限界を超えた分解能を持った顕微鏡です。一般的な光学顕微鏡の最小分解能が約200nm程度なのに対し、超解像顕微鏡はそれより高い分解能を持つため、これまで観察しにくかった細胞の微小な内部構造まで高精細に観察できます。そのため医学・生物分野などの微細構造の観察が必要な研究において、貢献が期待されています。

今回新しくラインナップに追加する「SpinSR10」高検出モデルは、最速0.005s/フレームの画像取得速度と120nmの分解能による高速な超解像ライブセルイメージングを実現しつつ、通常モデルの約3倍まで明るさを向上しています。光学系を変更したスキャナーユニットを新たに採用することで、今まで以上に高画質な画像取得が可能になりました。またレーザー光の出力を弱くしても通常モデルと同等の明るさで観察することができるため、長時間の観察においても、レーザー光によるサンプルへのダメージや蛍光色素の退色を低減することが可能です。これらの特長により、がんや神経疾患など医学分野の研究において更なる発展への貢献が期待されます。

発売の概要

商品名 発売日
スピニングディスク型共焦点超解像顕微鏡「SpinSR10」 高検出モデル 2018年12月予定

主な特長

  • 通常モデル比約3倍に明るさを向上したことで、サンプルをより高画質で観察可能
  • レーザー光によるサンプルへのダメージや蛍光色素の退色を低減

主な特長の詳細

1. 通常モデル比約3倍に明るさを向上したことで、サンプルをより高画質で観察可能

高検出モデルは、スキャナーユニットに内蔵した蛍光検出を行うディスク部分に改良を加え、通常モデル比約3倍の明るさを実現しています。通常モデルと同様に、最速0.005s/フレームの画像取得速度と120nmの分解能により、細胞の微小な内部構造やその変化を高速で観察することが可能です。さらに高検出モデルでは、通常モデルと同じサンプルを同じ条件で撮影しても、より高画質で観察することができます。


明るさ比較
Ptk2細胞を同じ条件で撮影 (対物レンズ:UPLSAPO100XS)
ラットカンガルー由来の腎上皮細胞の観察の様子

(左:高検出モデル、右:通常モデル)

2. レーザー光によるサンプルへのダメージや蛍光色素の退色を低減

明るさ向上を実現したことで、サンプルをスキャンするレーザーの出力を弱くしても通常モデルと同等の明るさで観察することが可能です。これにより、レーザー光によるサンプルへのダメージや蛍光色素の退色を低減することができます。ダメージを受けやすい生きた細胞サンプルであっても、長時間に渡って内部の構造が変化する一連の様子を観察することができます。細胞にとってダメージの少ない環境で、より正確なデータを取得できる信頼性の高い超解像ライブセルイメージングを実現します。


ミトコンドリアのリアルタイムライブセルイメージング(10FPS)

画像提供:産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 加藤 薫 先生
レーザーによるダメージを抑えているため、ミトコンドリア内部の構造(クリステ)が鮮明に観察できている
(「SpinSR10」高検出モデルに搭載の横河電機製 CSU-W1 SoRaで撮影)

既存の超解像イメージングシステム「SpinSR10」通常モデルの性能について

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