内視鏡的手縫い縫合法専用処置具 ディスポーサブル持針器「SutuArt」を発売胃・大腸の粘膜欠損部のより細かな縫合をスムーズにサポート

2022年6月14日


ディスポーザブル持針器 FG-260


オリンパス株式会社(取締役 代表執行役 社長兼CEO:竹内康雄)は、内視鏡治療における胃や大腸の粘膜欠損部の手縫い縫合をサポートするディスポーサブル持針器「SutuArt(スチュアート)」※1を2022年6月14日から国内で発売します。
今回発売する「SutuArt」は、ESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)等の処置後に粘膜縫合で用いる処置具です。内視鏡的手縫い縫合法※2で使用し、細やかな針操作を可能にし、術者が狙った通りの粘膜縫合をサポートするほか、欠損部の大きさや形に左右されず、スムーズな縫合に貢献します。内視鏡的手縫い縫合法は、粘膜欠損部のより確実な縫合を目指し、開発された手技です。

※1 「SutuArt」は、販売名「ディスポーザブル持針器 FG-260」の愛称です。

※2 内視鏡下で、持針器を用いて縫合糸で組織を縫合する手技。

製造販売元はオリンパスメディカルシステムズ㈱です。

主な特長

  • 術者の手元側の操作をスムーズに先端側に伝達させ、より細やかな手技に貢献
  • 独自設計により針の把持力を高め、安定的な縫合をサポート
  • 針のロック機構により、手技の安全性を考慮

開発の背景

現在の内視鏡下における粘膜欠損部の縫合は、クリップを使用し欠損部を挟む形式での処置が主流になっています。しかしクリップによる縫合は、縫合できる粘膜欠損部の大きさや形が限られており、術者からは「より確実に粘膜欠損部を縫合するため、より自由に縫合できる処置具がほしい」という声を多くいただいていました。
当社は、こうしたニーズに応えるべく、さまざまな縫合部にも柔軟に対応できる自由度の高い内視鏡的手縫い縫合法に用いる専用処置具「SutuArt」を開発しました。欠損部の大きさや形に左右されず、安全かつスムーズな縫合をサポートします。


内視鏡的手縫い縫合法(一例)

主な特長の詳細

1.術者の手元側の操作をスムーズに先端側に伝達させ、より細やかな手技に貢献

本製品は、伝達性の高い特殊なコイルを搭載しました。これにより、手元側の回転操作がスムーズに先端へ伝わるため、術者の狙った通りに針が動き、より細やかな手技に貢献します。


特殊コイルによる先端への伝達(イメージ)

2.独自設計により針の把持力を高め、安定的な縫合をサポート

縫合の際は先端部に力が加わるため、把持力が低いと針の穿刺性が不安定になります。本製品は、より確実に針の把持をサポートできる形状にしました。これにより安定的に針を支え、縫合の際の針のずれを低減します。


左:先端部構造、右:縫合針を把持した状態

3.針のロック機構により、手技の安全性を考慮

操作部のハンドルには「ラチェット機構」と呼ばれるロック機構を搭載しているため、縫合針の把持状態を維持することができ、意図しない針の脱落防止に貢献します。これにより、術者は操作に集中し縫合を行うことが可能です。


ハンドル構造部

オリンパスの治療機器事業について

オリンパスの治療機器事業は、医療分野における革新的な技術と製造技術で医療従事者のみなさまとともに歩んでまいりました。診断そして低侵襲治療において、より良い臨床結果を生み、医療経済にベネフィットをもたらし、世界の人々の健康やQOL向上に貢献してまいります。ポリープ切除用のスネア開発に始まり、様々な製品が疾患の予防、診断、治療に役立っています。詳しくは、www.olympus.co.jp/をご覧ください。
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