「EAGLE試験は、AI支援内視鏡の臨床現場への導入を大きく前進させる重要な転換点となるものです。クラウド展開によって、ハードウェア導入の障壁が取り除かれ、医療機関は最新のAI技術アクセスできるようになります。これにより、大腸がんリスク低減において特に重要な病変の検出向上が期待されます。」
オリンパスの大腸がん予防向けクラウド型AIソリューション「CADDIE™」、
高リスク・検出困難大腸病変の検出支援へ寄与
ー内視鏡検査におけるAI病変検出性能評価試験が示す安全性とワークフロー効率を損なわずに、臨床的に重要な病変の検出能を向上
2026年2月3日

CADDIE 使用イメージ
<お知らせ>
オリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、内視鏡検査におけるAI病変検出性能の評価試験(Evaluation of AI for detection of Gastrointestinal Lesions in Endoscopy、以下、EAGLE(イーグル)試験)に関する論文※1が国際学術誌「Nature」の関連誌「npj Digital Medicine」に掲載されたことを発表します。EAGLE試験は、大腸内視鏡検査中のポリープのリアルタイム検出を可能にする初のクラウド型コンピューター支援検出(CADe)アプリケーション「CADDIE™(キャディー)」を評価するために実施された多施設ランダム化比較試験です。「CADDIE」は、インテリジェント内視鏡エコシステム「OLYSENSE(オリセンス)」の第一弾として導入されたソリューションで、米国食品医薬品局(FDA)による510(K)認可および欧州医療機器規則(MDR)に基づくCEマーク認証を取得しています。※2
EAGLE試験は、クラウド型AIが、安全性やワークフローを維持しながら、内視鏡医が大きな腺腫(特に平坦型)および鋸歯(きょし)状病変(SSL)※3といったがん化の予防において重要な病変※4,5,6,7を検出する上で有用であることを示しました。
EAGLE試験の概要
EAGLE試験は、欧州4か国※8の8施設で実施され、主要解析には、スクリーニング検査および経過観察を目的とした大腸内視鏡検査を行う841名の患者さんと22名の内視鏡医が参加しました。患者さんは、標準的な大腸内視鏡検査を受ける群と「CADDIE」を用いた大腸内視鏡検査を受ける群のいずれかに無作為に割り付けられました。
主な研究成果
1.高リスクかつ検出が難しい病変の検出率向上に寄与
本研究において、スクリーニング検査および経過観察中の患者さんを対象とした評価では、「CADDIE」を使用することで、標準的な大腸内視鏡検査と比べて、腺腫検出率(ADR)が7.3ポイント向上しました。さらに、本研究では、臨床的に重要とされる種類の病変については、大腸内視鏡検査1件あたりに検出される病変数に有意な相対的増加が確認されました。
● 大型腺腫(10mm超):93 % 増加
● 平坦型腺腫:57 % 増加
● 鋸歯状病変(SSL):230 % 増加
2. クラウド型AIによるリアルタイム運用の有効性と効率性を実証
「CADDIE」は、多様な試験環境において、クラウド型AIによるリアルタイム運用が可能であり、高い運用効率を実現できることを示しました。
臨床的価値を重視した設計
「CADDIE」は、臨床的に重要で検出が難しい病変(平坦な鋸歯状病変(SSL)や10mm以上の大きなポリープなど)を多数含んだデータセットで学習されています。
平坦型や無茎性の病変は検出が難しく、臨床的に重要な病変が含まれることがあります。特に鋸歯状病変(SSL)はリスクの高い病変であり、その検出は大腸内視鏡検査後の大腸がん発症リスクを低減するために不可欠です。※5,6これらの病変を確実に検出できるかどうかは、大腸内視鏡検査の品質を評価する上で、ますます重要な指標となっています。※9
本研究では、臨床的に重要な病変の検出増加が示されました。一方、近年のガイドラインで懸念されている不必要なポリープ切除の増加は認められませんでした。※10,11
クラウドの重要性
「CADDIE」は、業界標準のセキュリティ制御を備えたクラウド環境を活用しています。クラウドによる導入は、医療機関に柔軟性をもたらし、専用ハードウェアへの依存を減らすとともに、サブスクリプション型での提供を可能にします。この仕組みにより、高度なAI技術へのアクセスを広く提供し、消化器内視鏡領域における今後のAI活用の基盤が築かれます。
EAGLE試験主任研究者兼ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン消化管領域研究者 ラウェン・カダー氏のコメント
オリンパス 消化器内視鏡ソリューション事業 ビジネスユニット エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー ミケル・アンヘル・ガルシアのコメント
「EAGLE試験が『npj Digital Medicine』のような影響力のある学術誌に掲載されたことは、オリンパスにとって極めて重要な成果です。これは、『CADDIE』が安全性や効率性を損なうことなく、臨床的に重要な病変の検出を向上させる AI ソリューションとして臨床現場で実装可能であることを示しています。」
Odin Vision(オディン・ビジョン)社 CEO兼オリンパス AIユニット バイスプレジデント ピーター・マウンニーのコメント
「EAGLE 試験は、クラウド型AIが日常の内視鏡検査へと幅広く実装可能であることを示しています。クラウドを通じてリアルタイムに AI を提供することで、イノベーションを加速させると同時に、世界中の医療機関に対して、最新のエビデンスに基づく技術の活用を支援できると考えています。これにより、臨床現場での意思決定のサポートが可能になり、患者さんのアウトカムの向上に寄与します。」
EAGLE 試験に関する論文の詳細については、以下をご参照ください:
掲載論文の詳細(英文のみ):<https://www.nature.com/articles/s41746-025-02270-1
>
「CADDIE」による検出は医師の診断を補助するものであり、医師は自身の判断に基づき最終診断を行う必要があります。また、「CADDIE」は白色光観察での使用に限定されており、すべての病変の検出を保証するものではありません。
※1 Kader R, Hassan C, Lanas Á, et al. A novel cloud-based artificial intelligence for real-time detection of colorectal neoplasia – a randomized controlled trial (EAGLE). npj Digital Medicine. Published online December 26, 2025. https://doi.org/10.1038/s41746-025-02270-1
※2 「CADDIE」は、日本国内では医薬品医療機器等法未承認の製品です。また、米国食品医薬品局(FDA)よりCADe機能のみを対象に510(k)認可を取得済みです。
※3 大腸の内側にできるポリープの一種で、のこぎりの歯のようにギザギザした形が特徴。
※4 Nguyen LH, Goel A, Chung DC. Pathways of Colorectal Carcinogenesis. Gastroenterology. 2020;158(2):291-302. doi:10.1053/j.gastro.2019.08.059
※5 Anderson JC, Hisey W, Mackenzie TA, et al. Clinically significant serrated polyp detection rates and risk for postcolonoscopy colorectal cancer: data from the New Hampshire Colonoscopy Registry. Gastrointest Endosc. 2022;96(2):310-317. doi:10.1016/j.gie.2022.03.001
※6 Toledo DEFWMv, IJspeert JEG, Bossuyt PMM, et al. Serrated polyp detection and risk of interval post-colonoscopy colorectal cancer: a population-based study. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022;7(8):747-754. doi:10.1016/s2468-1253(22)00090-5
※7 Soetikno RM. Prevalence of Nonpolypoid (Flat and Depressed) Colorectal Neoplasms in Asymptomatic and Symptomatic Adults. JAMA. 2008;299(9):1027. doi:10.1001/jama.299.9.1027
※8 イタリア、ドイツ、スペイン、ポーランド
※9 Rex DK, Anderson JC, Butterly LF, et al. Quality indicators for colonoscopy. Gastrointest Endosc. 2024;100(3):352-381. doi:10.1016/j.gie.2024.04.2905
※10 Bretthauer M, Ahmed J, Antonelli G, et al. Use of computer-assisted detection (CADe) colonoscopy in colorectal cancer screening and surveillance: European Society of Gastrointestinal Endoscopy (ESGE) Position Statement. Endoscopy. Published online 2025:. doi:10.1055/a-2543-0370
※11 Sultan S, Shung DL, Kolb JM, et al. AGA Living Clinical Practice Guideline on Computer-Aided Detection–Assisted Colonoscopy. Gastroenterology. 2025;168(4):691-700. doi:10.1053/j.gastro.2025.01.002
オリンパスについて
オリンパスは「私たちの存在意義」として掲げる、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指しています。世界をリードするメドテックカンパニーとして、私たちは医療従事者の方々と共に、病変の早期発見、診断、そして低侵襲治療に役立つ革新的なソリューション・サービスの提供を通じて対象疾患における医療水準の向上に貢献してまいります。創業から100余年、オリンパスはこれからも世界中のお客様に最適な価値をもたらす製品を提供することで、社会への貢献を目指します。詳しくはオリンパスの公式サイト(www.olympus.co.jp)ならびにLinkedInアカウント
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