オリンパスアメリカでオペレーションコーディネーターとして、医療機器のリースを担当しているキャサリンさんは、長らく持病である逆流性食道炎に悩まされていました。逆流性食道炎とは、胃酸や食物が食道に逆流して炎症を引き起こす病気です。そのため、オリンパスの社員として内視鏡検査の重要性を理解していたのにもかかわらず、検査を受けることをためらっていました。「胃腸の洗浄のために大量の液体を飲むのは、私のように逆流性食道炎に悩んでいる人にとっては本当に大変だと聞いていたからです」(キャサリンさん)
そんな中、彼女は同僚の勧めを受けて、2023年3月、比較的簡単にできる大腸がんの在宅検査を行いました。陽性の結果が出ましたが、最初は何かの間違いで、偽陽性ではないかと考えました。自覚症状は、軽い疲労感があった程度だったからです。しかし、キャサリンさんを心配した家族からの強い要望で、3カ月後に大腸内視鏡検査を受けることにしました。
その検査の準備は簡単ではありませんでした。「2つの下剤を異なるタイミングで服用し、約2リットルの水とスポーツドリンクを摂取しました。逆流性食道炎を抱えている私にとって、固形物なしで、大量の水分を飲まなければいけないのは想像していた以上に大変でした」(キャサリンさん)
なんとか内視鏡検査を乗り切りましたが、診断結果は衝撃的でした。直腸がんのステージ3であることが判明したのです。