革命的な治療法で救われた、生まれたばかりの命

マイケルという赤ちゃんのストーリー:アメリカ

ジルとデイビッド・アンジェロとの間に生まれたマイケルは生後数ヶ月にして、胆道閉鎖症という、日本では難病にも指定されている赤ちゃん特有の重大な肝臓疾患があると診断されました。

この疾患は、ほとんどの場合肝臓移植以外で助かる道はありません。Miami Transplant Institute(マイアミ臓器移植機構)の専門家に助けを求めた両親は、さらなる壁に突き当たります。体重が13ポンド(約5,900グラム)以下の赤ちゃんんに、マイケルが必要としているような手術をした前例がない、という壁です。

「当時マイケルの体重は8ポンド(約3,600グラム)しかなく、できることなら13〜14ポンドになるまで待ってから手術をしたいと考えていました。」Miami Transplant Instituteの小児移植科メディカルディレクターであるジェニファー・ガルシア医師はこう振り返ります。「ただマイケルには、そんな猶予はありませんでした。容体は、一刻を争うものでした。」

マイケルにとって、肝臓移植が唯一の望みでしたが、その体はあまりにも小さく、外科医にとって課題となりました。

マイケルを担当していたチームは、肝臓移植手術を可能にする2つの新外科医療技術を採用するという、迅速な英断を下します。1つは、非常に繊細な切開に貢献する先進的なエネルギープラットフォームで、もう1つは、4Kの解像度で3次元映像をモニターに拡大映写できるビデオマイクロスコープシステムです。これらを組み合わせたことで、臓器移植手術において高いレベルでの精度と効率を実現することができました。

前人未到の手術

マイケルの小さな臓器を鮮明な映像で把握することで、担当医たちは前人未到の手術を成功させることができました。「このように小さな肝臓を扱うことは稀だが、それこそがマイケルに必要なものでした。」 Miami Transplant Instituteでディレクターを務めるロドリゴ・ビアナ医師はこう語ります。「とにかく、うまくいってよかった。」

先進の医療技術、担当医チームの技能、そして何よりドナーの家族が、ジルとデイビッド・アンジェロの間に生まれたばかりの小さな命を救いました。

「息子の命を救った素晴らしいチームに巡り合わせてくれた神様に、感謝をしない日はありません。」ジルは言います。「彼らのおかげで、私たちの子供は生きています。」

マイケルを抱き上げる、Miami Transplant Instituteディレクターのロドリゴ・ビアナ医師