内視鏡システム「EVIS X1」の画像技術「TXI」に関する技術論文が、
英国の科学雑誌「Journal of Healthcare Engineering」の
「Article of the Year 2021」を受賞

2022年12月2日

オリンパス株式会社(以下、オリンパス)の社員による内視鏡システム「EVIS X1」の搭載技術「TXI(Texture and Color Enhancement Imaging:構造色彩強調機能)」に関する技術論文が、英国の科学雑誌「Journal of Healthcare Engineering」の「Article of the Year 2021」を受賞しました。
受賞論文のテーマである「TXI」は、がんなどの消化器疾患の診断・治療等に使用される内視鏡システム「EVIS X1」に搭載された独自技術の1つで、粘膜表面の構造や色調を強調することで病変部の観察性能向上に寄与する機能です。

TXIの概要

通常光観察下での粘膜表面の「構造」「色調」「明るさ」の3つの要素を最適化する画像技術です。通常光観察では見にくい画像上のわずかな色調や構造の変化が、TXIを活用することにより内視鏡検査中にリアルタイムで強調され、胃がんや大腸がんなどの病変部の観察性能の向上に貢献することが期待されます。


受賞の概要

・論文名:TXI: Texture and Color Enhancement Imaging for Endoscopic Image Enhancement
・受賞者:佐藤朋也(オリンパスメディカルシステムズ(株) 先進画像処理技術)
・受賞時期:2022年5月
・受賞理由(和訳):本論文は消化器がん関連死亡率を減少させるための内視鏡スクリーニングによる早期病変検出の挑戦的課題を示している。背景の分析は明瞭かつ網羅的であり、提案した方法論は詳細かつ説得力がある。実験的検証も徹底しており、結果は有望である。本論文は既に科学界で高く評価されており、臨床現場での影響は大きいと予想される。
・受賞理由(原文):"This paper presents the challenging issue of early lesion detection through endoscopic screening for reducing gastrointestinal cancer-related mortality. The analysis of the background is clear and exhaustive, and the proposed methodology is both detailed and convincing. The experimental validation is also thorough and the results are encouraging. The paper has already shown to be highly appreciated by the scientific community, and its impact in clinical practice is expected to be high. "

Journal of Healthcare Engineeringとは

医療提供プロセスおよびシステムに関連するエンジニアリングのあらゆる側面に関する基礎的および応用的研究を公開しているOpen Accessジャーナル。世界中の医療工学研究者、エンジニア、マネージャー、コンサルタントの間で、高度な知識、新しい技術、革新的なアイデアを交換するための手段を提供する媒体。

Article of the Year 2021とは

2021年に「Journal of Healthcare Engineering」に掲載された研究論文またはレビュー論文の中から、最も刺激的でインパクトがあり、現在または将来の方向性を代表すると考えられる論文を表彰するもの。
https://www.hindawi.com/article-year-award-2021/

受賞者コメント

このような賞を頂き光栄に思います。本論文で述べた技術「TXI」は、「消化器内視鏡検査において発見しづらい病変が存在する」という現状課題の解決に少しでも貢献したい、という技術者の想いがきっかけとなって開発がスタートされた技術です。TXI技術の開発にあたり、オリンパスの技術開発やマーケティング部門など多くの部門の関係者、そして内視鏡医の先生方の多大なご協力を頂いたことに感謝申し上げます。

高橋義道(消化器科エンドスコピービジネスユニット) コメント

本受賞の喜びを、技術開発に携わっていただいた方々と分かち合いたいと思います。私たちは、このような臨床現場における課題の解決を目指した技術開発を継続し、がんをはじめとする消化器疾患の早期発見・早期診断・低侵襲治療に貢献し、世界中の人々の健康を支援していきます。

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オリンパスの内視鏡事業について

オリンパスの内視鏡事業は、医療分野における革新的な技術と製造技術で医療従事者のみなさまとともに歩んでまいりました。診断そして低侵襲治療において、より良い臨床結果を生み、医療経済にベネフィットをもたらし、世界の人々の健康やQOL向上に貢献してまいります。1950年に世界で初めてガストロカメラを実用化して以来、オリンパスの内視鏡事業は成長を続けており、現在では、軟性内視鏡、硬性鏡、ビデオイメージングシステムから、カスタマーソリューション、修理サービスに至るまで、様々な製品・サービスで医療に貢献しています。詳しくはwww.olympus.co.jp/をご覧ください。
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