マネジメントシステム
環境方針
オリンパスグループの環境への取り組みは、経営理念、「オリンパスグローバル⾏動規範」、および「環境安全衛⽣ポリシー」をもとに実施しています。「環境安全衛⽣ポリシー」に沿って、法規制・社会規範の順守、気候変動や資源循環・生物多様性保全に関連する環境負荷の低減、環境コミュニケーションの充実、ならびにこれら活動の継続的改善に取り組んでいます
推進体制
オリンパスグループでは、CEOが環境最⾼責任者を務め、EHS(環境・健康・安全衛⽣)を含む、⼈事・総務機能を統括するCHRO(Chief Human Resources Officer)がグループ全体の環境業務の統括責任者を務めています。CHROの指⽰のもとEHS統括部⾨がグループ全体の「環境安全衛⽣ポリシー」を策定するとともに、環境施策の⽴案・推進、エネルギー削減⽬標の進捗や施策の実施状況などのグループ全体の環境活動状況のモニタリングを⾏っています。また、各サイトやグループ会社ごとに環境管理部⾨を設け、EHS統括部⾨がグループ全体の環境経営を推進しています。EHS統括部⾨は、環境経営の推進に不可⽋なグローバル各サイトの環境に関する取り組みや法令遵守状況についての情報および環境関連データを効率的に収集してグループ内で共有する情報基盤を整備し、2015年3⽉期から運⽤しています。
主要な製造・物流・販売サイトではISO14001認証を取得(2025年3月期末時点で97%取得:温室効果ガス排出量ベース)しており、日本・中国・ベトナムのサイトでは、2021年3月期からマルチサイト認証に移行しています。各サイトでは、年度方針に基づき、エネルギー使用量、温室効果ガス排出量、水使用量、廃棄物リサイクル率などの環境パフォーマンスをPDCAサイクルに基づいて管理し、継続的な改善を推進しています。さらに、実績の月次評価や内部監査、職場巡視を通じて目標達成状況を客観的に評価し、課題が確認された場合には、改善策を速やかに実行することで、環境パフォーマンスの向上に取り組んでいます。
グローバルな環境推進体制
ISO14001認証取得サイト⼀覧(2025年3⽉末時点)
サイト | 認証取得年⽉ | マルチサイト認証 | サイト単独 認証 |
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日本 | オリンパス株式会社 | グローバル本社 | 2000年3⽉ | ◯ | |
八王子サイト 技術開発センター宇津⽊ | 2000年3⽉ | ◯ | |||
⻑野サイト(⾠野) | 1998年2⽉ | ◯ | |||
⻑野サイト(伊那) | 2014年5⽉ | ◯ | |||
⽩河サイト | 1998年10⽉ | ◯ | |||
オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | ⽇の出⼯場 | 1998年7⽉ | ◯ | ||
⻑野オリンパス株式会社 | 2011年10⽉ | ◯ | |||
会津オリンパス株式会社 | 1998年10⽉ | ◯ | |||
⽩河オリンパス株式会社 | 1998年10⽉ | ◯ | |||
⻘森オリンパス株式会社 | 1998年11⽉ | ◯ | |||
米州 | Olympus Surgical Technologies America National Service Center West | 2005年12⽉ | ◯ | ||
Olympus Corporation of the Americas
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2019年9⽉ | ◯ | |||
Olympus Surgical Technologies America
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2019年9⽉ | ◯ | |||
欧州・中東 | Olympus Winter & Ibe GmbH
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2001年5⽉ | ◯ | ||
KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd.
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2002年3⽉ | ◯ | |||
Algram Group Ltd. | 2007年1⽉ | ◯ | |||
Olympus Iberia S.A.U. | 2018年9⽉ | ◯ | |||
Olympus Medical Products Portugal, Unipessoal LDA | 2024年4月 | ◯ | |||
アジア・オセアニア | Olympus Vietnam Co.,Ltd. | 2013年4⽉ | ◯ | ||
Olympus Australia Pty Ltd | 2017年8⽉ | ◯ | |||
Olympus New Zealand Limited | 2017年8⽉ | ◯ | |||
中国 | Olympus Trading (Shanghai) Co., Ltd. GuangZhou Branch | 2004年10⽉ | ◯ | ||
Olympus Trading (Shanghai) Limited | 2012年2⽉ | ◯ |
長期目標と施策
オリンパスグループは、昨今の環境汚染や気候変動、資源枯渇、⽣態系破壊について喫緊の社会課題であると強く認識しています。そのため、2021年5⽉に「社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献」をESG取り組みの重点領域として定めました。
また、脱炭素社会実現に向けた野心的な目標として、以下を設定するとともに、これらの目標はSBTiよりパリ協定で定められている「1.5℃目標」の水準と整合したものであるとの認定を取得しています。(☆:SBTiより認定を受けた目標)
項目 | 目標 |
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サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量 (Scope 1、2、3※1) |
2040年3月期までに2020年度を基準年としてネットゼロ※2達成☆ |
⾃社事業所からの温室効果ガス排出量 (Scope 1、2※1) |
2031年3⽉期までに2020年度を基準年としてカーボンニュートラル※3達成 (2020年度を基準年とし温室効果ガス排出量を70%削減☆し、残存する温室効果ガス排出量をカーボンクレジットで相殺する) |
再生可能エネルギーの導入 | 2031年3⽉期までに自社事業所で使用する電力※4を100%再⽣可能エネルギー由来に切替 |
サプライヤーエンゲージメント | 2028年3月期までに当社サプライヤーの80%が科学的根拠に基づく温室効果ガス削減目標を設定☆ (購入した製品やサービス、資本財、上流の輸送・流通の排出量ベース) |
オリンパスグループではこれらの目標を達成するため、グループ⼀丸となった製造プロセス改善や設備対策を通じた省エネと再⽣可能エネルギーへの転換に関する取り組みを加速しています。
また、サプライチェーン全体の環境負荷削減のために、環境配慮型製品の開発、物流効率改善、サプライヤーさまとの協働による温室効果ガス排出量についての⾃主削減⽬標の設定や脱炭素活動への⽀援に継続的に取り組み、持続可能なビジネスの実現を⽬指しています。
※1Scope 1:敷地内における燃料の使⽤による直接的な温室効果ガス排出
Scope 2:敷地内で利⽤する電気・熱の使⽤により発⽣する間接的な温室効果ガス排出
Scope 3:その他の間接的な温室効果ガス排出(Scope1、Scope2を除く)
※2ネットゼロ:最新の気候科学(1.5℃シナリオ)に沿って温室効果ガス排出量(Scope 1、2、3)を可能な限り削減(90%以上)し、残存する温室効果ガス排出量(10%未満)に相当する量を炭素吸収・除去由来クレジット(植林やCO2回収・貯留など)で均衡させること。
※3カーボンニュートラル:⾃社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を削減し、残存する温室効果ガス排出量に相当する量をカーボンクレジットで相殺し全体としてゼロとすること。
※4⼀部、販売拠点などの賃借物件は除く
2025年3⽉期 主な環境活動実績
取組分野 | 主な指標 | 2025年3月期実績・実施事項 |
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マネジメントシステム | 環境マネジメントシステムの有効性向上と運⽤の効率化 |
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環境法規制対応プロセスの継続的改善 |
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気候変動への取り組み |
温室効果ガス排出量
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温室効果ガス排出量:-62%(対2020年3⽉期)
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再⽣可能エネルギー導⼊率(電⼒)
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再⽣可能エネルギー導⼊率(電力):89%
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2028年3月期:サプライヤーの80%が科学的根拠に基づく温室効果ガス削減目標を設定(購入した製品やサービス、資本財、上流の輸送、流通の排出量ベース) |
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自然資本・廃棄物への取り組み |
廃棄物リサイクル率
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廃棄物リサイクル率:92%
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⽔使⽤効率改善
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⽔使⽤効率改善:8%改善
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生物多様性保全 |
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プロダクトスチュワードシップ | 製品・パッケージングのライフサイクルにおける資源循環性向上に向けた環境配慮設計の取組推進 |
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環境法規制の遵守
オリンパスグループでは、環境法規制対応のための規定類の整備と維持、環境管理責任者や推進者への教育、現地運⽤状態のモニタリングや改善を継続的に実施しています。
2025年3⽉期は、環境法規制違反が3件発生しましたが、いずれも速やかに行政報告を行うとともに、原因に対して適切な対策実施を完了し、以後、異常は確認されていません。また、罰金等の措置は受けていません。
- 地球温暖化対策計画書
-
東京都の地球温暖化対策制度に基づき、オリンパス株式会社グローバル本社(東京都八王子市石川町2951)の地球温暖化対策計画書を公開いたします。
コミュニケーション
グリーン調達
オリンパスは、環境に配慮した製品づくりを推進し、持続可能な社会の実現に貢献するために「オリンパスグループグリーン調達基準」を定め、すべてのサプライヤーさまにオリンパスグループの環境活動に対する考え方を共有し、その取り組みへの協力をお願いしています。
また、継続的に取引のある世界各国の主要なサプライヤーさまを対象に実施している企業調査において、以下の取組状況を確認し、サプライヤーさまとともに環境活動レベルの向上を図っています。
- 環境マネジメントシステムの構築やISO14001認証の取得
- 法令・社会規範の順守
- 環境負荷の把握、目標設定、削減取組(温室効果ガス排出量(Scope 1、2、3)、水使用量、廃棄物排出量)
- 化学物質対策
- 製品の環境配慮対策
- 生物多様性保全
環境教育・意識啓発
オリンパスグループは、「環境安全衛⽣ポリシー」に基づき全従業員が参画する環境活動を推進しています。その実現には従業員⼀⼈⼀⼈の環境意識の向上が重要であるとの認識のもと、環境教育や保全活動を通じた意識啓発に継続的に取り組んでいます。
2025年3⽉期は、6月の世界環境デーに合わせてグループ従業員を対象に「環境eラーニング」を実施しました。本教育では、気候変動や資源循環、生物多様性保全などの環境問題に対する社会動向や社内外の取組事例を周知し、従業員の環境意識の向上を進めました。
また、グローバルの各サイトで地域事情に応じた環境専門教育や環境法規制対応など、環境マネジメントシステムの改善や効果的な運⽤に必要となる専⾨的な各種教育を実施しました。
主な環境教育の実施状況(2025年3⽉期)
区分 | 対象者 | 主な教育内容 |
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基礎教育 | 新⼊・転入社員 | 新⼊・転⼊社員の雇⼊れ時の環境基礎教育(環境問題と企業の責務およびオリンパスの環境取り組みに関する理解)
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全従業員 | 世界環境デーに合わせた環境eラーニング(環境保全に対する社会的要請やオリンパスの環境取り組みに関する理解)
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専門教育 | 環境管理責任者・環境事務局担当者 | 環境管理責任者・環境事務局の責任および役割の理解(環境法規制順守や有効なEMS構築に向けたポ イントなど)
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対象従業員 | 環境業務担当者向け環境専⾨教育 (公害防⽌、廃棄物管理、化学物質管理などの知識技能の向上)
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環境保全活動
オリンパスグループでは、各サイトにおける周辺地域の清掃活動や植樹活動、リサイクル促進の活動など、地域に密着した環境保全活動を継続的に⾏っています。