気候変動への取り組み
基本的な考え方
オリンパスグループは、1992年に「オリンパス環境憲章(現・環境安全衛生ポリシー)」を制定して以来、サイトにおける省エネ活動や再エネ導入、環境配慮型製品の開発、サプライヤーとのグリーン調達の推進など、製品ライフサイクル全体において環境負荷の低減に取り組んできました。近年、気候変動による自然災害の激甚化や資源の枯渇、海洋プラスチック問題が深刻化し、地球環境とともに企業の持続可能性に直接影響を及ぼすリスクとなっています。オリンパスグループは、これらの課題を経営リスクと同時に成長機会として捉え、ESG戦略のフォーカスエリアの一つに「社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献」を掲げて、脱炭素・循環型社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
またオリンパスグループは環境取組みにおいて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同し、ガバナンス体制、リスクと機会の特定、リスク管理体制と目標について開示しています。
関連リンク
TCFD に基づく情報開示について
2025 CDPコーポレート質問書(英語のみ)
環境目標と進捗
組織内(Scope1、2)の実績
| 指標 | FY2026 | FY2027 | |
|---|---|---|---|
| 目標 | 実績 | 目標 | |
| 温室効果ガス排出量(Scope 1、2) | -65% | -76%※ | -78% |
| 再生可能エネルギー導入率 | 90% | 94% | 95%(FY2029) |
※ カーボンオフセットでの相殺分を除いた場合、温室効果ガス排出量は2020年3月期比で65%削減となります。
<Scope 1、2推移>

オリンパスグループは、「2031年3⽉期までにオリンパスグループのサイトからの温室効果ガス排出量(Scope 1、2)に関してカーボンニュートラルを達成する」ことを目標に掲げています。この目標の達成に向けて、自社事業所における温室効果ガス排出量を70%削減し、削減後も残存する排出量についてはカーボンオフセットにより相殺することで、温室効果ガス排出量の実質ゼロの達成を目指します。その実現に向け、製造改善活動の継続的な実施や省エネ型設備の導⼊をはじめ、照明の消灯や空調温度の適正管理といった⽇常的な省エネ活動にも継続して取り組んでいます。さらに、エネルギー消費量の多いサイトには省エネの専門家を配置し、推進体制を整備するなど、組織的な取り組みを強化しています。加えて、再⽣可能エネルギーの積極的な導⼊や、事業活動におけるエコカーの活⽤も推進することで、温室効果ガス排出量のさらなる削減に努めています。
2026年3⽉期は、世界各国のサイトで継続的な製造改善活動、省エネ施策、社有⾞のエコカーへの更新、再⽣可能エネルギーの導⼊などを実施しました。これらの取り組みにより、2026年3⽉期の実績では、温室効果ガス排出量は2020年3⽉期⽐で76%削減、再生可能エネルギー導入率は94%(前年度89%)と⼤きく向上することができました。
主な取り組みとして、Olympus Corporation of the Americasにおいて、社有車を段階的にエコカーへ更新する取り組みを推進しました。この施策により、ガソリン消費量とCO2排出量の削減を図りました。また、ベトナムのOlympus Vietnam Co., Ltd.や、日本の北会津工場の全棟をLEDに切り替えることで、消費電力量の削減を進めました。中国のOlympus Trading (Shanghai) LimitedおよびOlympus (Suzhou) Medical Device Co., Ltd.では、サイトで使⽤する電⼒について、グリーン電力証明書(GEC:Green Energy Certificate)を活用し、100%再⽣可能エネルギー由来の電⼒に転換しました。⽇本国内のサイトにおいては、すでに電⼒⼩売供給契約を通じて100%再エネに転換していましたが、社会全体の再エネ拡⼤に向けて、2025年4⽉より、グローバル本社、⻘森オリンパス、会津オリンパス、⽩河オリンパスにて、オフサイト型コーポレートPPAサービスによる再エネ使⽤を開始しました。
また、各サイトで使⽤するガスの脱炭素化の取り組みも進めており、都市ガスやLPGなど、当該サイトで使⽤するガスの全量をカーボンオフセットガスへの切り替えを完了しています。グローバル本社では2021年4⽉より、⽩河サイトでは2023年10⽉よりカーボンオフセットガスの導⼊を開始しています。2025年3月期は、グローバル本社、⽩河サイト、会津オリンパス、オリンパスメディカルシステムズ(⽇の出⼯場)、欧州のOlympus UK & IrelandおよびAlgram Group Ltd.にてカーボンオフセットガスの導⼊を完了しました。2026年3月期においては、2025年4月に青森オリンパスでも導入を完了しています。(2026年3月期におけるカーボンオフセットガスへの切り替えによるCO2削減貢献量は約8,400t-CO2です)
2027年3⽉期も引き続き、製造プロセス改善や省エネ施策を推進するとともに、⾃社のサイトにおける全消費電⼒を再⽣可能エネルギー由来に段階的に切り替えるなど、温室効果ガス排出量削減に向け取り組みを加速させています。
Topics:中国サイトにおける再エネ100%の達成
Olympus (Suzhou) Medical Device Co., Ltd.(蘇州工場)では、工場建屋の屋根上に太陽光発電設備を設置し、再生可能エネルギー由来の電力の利用を拡大しています。また、蘇州工場およびOlympus Trading (Shanghai) Limitedにおいては、グリーン電力証明書(GEC:Green Energy Certificate)を取得し、同サイトで使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換しました。


Topics:⽇本国内の主要製造⼦会社におけるオフサイト型コーポレートPPAサービスの導⼊
オリンパスグループの⽇本国内の主⼒製造⼦会社である⻘森オリンパス、会津オリンパス、⽩河オリンパスは、2025年4⽉より、⾃社敷地外から再エネ由来の電⼒を調達するオフサイト型コーポレートPPAサービスを導⼊しました。すでに国内の主要な製造サイトにおける使⽤電⼒は、電⼒⼩売供給契約を通じて100%再エネに転換していますが、社会全体の再エネ拡⼤に向けて、東北地⽅にある主⼒製造サイト(⻘森、会津、⽩河)に本サービスによる再エネを導⼊しました。
ニュースリリース:オフサイト型コーポレートPPAサービスを活用したCO2排出量削減に向けた取り組みを開始
グリーン電力証書

Olympus Europa SE & Co. KG
(ドイツ)

Algram Group Ltd.(英国)

KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd. (英国)

Olympus Vietnam Co., Ltd.(ベトナム)

Olympus Surgical Technologies America: Redmond (Gyrus ACMI, Inc.)(⽶国)

Olympus Medical Products Portugal, Unipessoal LDA(ポルトガル)
カーボンオフセットLPG供給証明書・ロゴマーク

白河オリンパス

会津オリンパス

KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd. (英国)
Algram Group Ltd.(英国)

青森オリンパス

オリンパスメディカルシステムズ
組織外(Scope 3)の実績
オリンパスグループでは、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量をカテゴリーごとに把握・算定し、グリーン調達の推進や物流効率の改善、環境配慮型製品の開発などを通じて、温室効果ガス削減に取り組んでいます。また、取引を⾏っているサプライヤーに対しては、温室効果ガスの排出量削減の⾃主⽬標を設定し、継続的な削減に取り組んでいただくようお願いするとともに、Webを活用したESGに関する企業調査を実施し、温室効果ガス排出量や、その削減⽬標、削減取組の状況を確認しています。これらの取り組みが評価され、国際的な非営利団体であるCDP※より、「サプライヤー・エン ゲージメント評価(SER)」において最⾼評価であるサプライヤー・エンゲージメント・リーダーに2024年、2025年の2年連続で選定されました。オリンパスグループのサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope 1、2、3)においては、グラフに⽰す通りScope 3の温室効果ガス排出量が9割以上を占めています。その中でも特に購⼊した製品・サービス(カテゴリー1)、資本財(カテゴリー2)、輸送・配送(カテゴリー4)の上流側の温室効果ガス排出量の割合が⾮常に多い状態です。
そのため、オリンパスグループでは⻑期⽬標である2040年ネットゼロ⽬標達成に向けて、Scope 3単独の短期⽬標として「2028年3⽉期までに当社サプライヤーの80%が科学的根拠に基づく温室効果ガス削減⽬標を(購⼊した製品やサービス、資本財、輸送・流通の排出量ベース)」を定め、サプライヤーと協業し、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みを開始しています。
2026年3⽉期は、オリンパスグループのScope 3排出量の中で⼤きな割合を占める「購⼊した製品・サービス」に関して、サプライヤーと連携して脱炭素化に向けた取り組みを強化しました。具体的には、主要サプライヤーの温室効果ガス排出量の把握や削減目標の設定を⽀援するため、説明会の実施に加え、個別⾯談を希望した企業に対しては、個別に対応を⾏い、丁寧な説明と情報提供を通じて理解促進を図りました。こうした取り組みの結果として、2026年時点ではScope 3の排出量の約5割に相当するサプライヤーがSBT(The Science Based Targets)認定を取得し、科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標を掲げて⾏動を開始しています。今後も、サプライヤーとのパートナーシップをさらに深めながら、サプライチェーン全体での脱炭素化を推進していきます。
※ CDP:2000年に発⾜した英国で設⽴された国際的な⾮営利団体。世界主要企業の環境活動に関する情報を収集・分析・評価し、これらの結果を機関投資家向けに開⽰しています
温室効果ガス排出量(Scope 3)

★ 第三者検証における保証対象指標
購⼊した製品・サービス(カテゴリー1)
サプライチェーン全体での温室効果ガス排出削減を目的に、主要サプライヤーへの働きかけを継続的に進めています。2025年3月期以降、188社のサプライヤーを対象として、温室効果ガス排出量の把握および削減に向けた説明会や動画配信(2024年1月、8月、2025年1月の計3回)を実施するとともに、⽇本国内のサプライヤー35社に対して個別説明会を行い、排出量削減の重要性、算定方法、ならびに科学的根拠に基づく目標設定手法(SBT:Science Based Targets)についての理解促進と取り組みの推進を図りました。2026年3月期は、これまでの取り組みを発展させ、当社との取引量が多く、当社サプライチェーンの温室効果ガス排出量に与える影響が大きい主要サプライヤー15社に対して個別説明会を実施し、各社の進捗状況や課題に応じた質疑応答を行い、より実践的な助言を提供しました。その結果、約5割を超えるサプライヤーが科学的根拠に基づく目標設定を完了しました。また、オリンパスグループと取引のあるすべてのサプライヤーを対象に、温室効果ガス排出量の把握や削減目標の設定、⽔資源管理、廃棄物削減などの環境保全への取組状況を調査し、各社の対応や改善状況の把握を進めています。
輸送・配送(カテゴリー4)
国際間物流のフォワーダーから温室効果ガス排出量データを直接⼊⼿することで、算定データの精度向上に取り組んでいます。また、⾶⾏機から船舶へのモーダルシフトを積極的に推進し、輸送による温室効果ガスの削減につなげています。2026年3月期は、Olympus Vietnam Co., Ltd. (OVNC)から出荷する一部製品について、パレットへの製品の積み付けを5段から3段に変更し、パレットを2段積みとする方式に切り替えました。これによりコンテナ当たりの積載量を20%向上させ、コンテナ使用本数を削減しました。


