コンプライアンス
基本的な考え方・方針
重要なのは一人ひとりの行動
オリンパスグローバル行動規範
オリンパスにおける一人ひとりの行動は、私たちが奉仕する人々にとって重要なことであり、私たちの仕事の取り組み方も、ステークホルダーにとって重要なことです。経営陣と従業員が経営理念である「Our Purpose 私たちの存在意義」と「Our Core Values 私たちのコアバリュー」を実践するために、オリンパスグループ企業行動憲章・行動規範に代わり、新たに「オリンパスグローバル行動規範」を制定、2019年9月27日に施行し、18カ国語で公開しています。
誠意を持った行動
「オリンパスグローバル行動規範」の概要
「オリンパスグローバル行動規範」は、創業100年の歴史で培われた「イノベーション」「社会貢献」「誠実さ」を基本に据えています。経営層および従業員に期待される行動基準を説明し、誠実な事業活動を行うための指針としています。
「オリンパスグローバル行動規範」は、オリンパスが ESG(環境・社会・ガバナンス)についての持続可能性に対する姿勢を包括的に宣言したものであり、これに基づいてESGに関するさまざまな方針を策定しています。
私たちの活動は「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」という私たちの存在意義に基づいています。私たちは誠実に業務を遂行することを約束し、関連するすべての法律および規制を厳格に順守します。「オリンパスグローバル行動規範」は、オリンパスの方針の基盤であり、経営層および従業員が読み、理解し、順守しなければならないものです。グローバルな企業活動において、グローバル行動規範に則って行動することを心掛けています。
推進体制
コンプライアンス推進体制
オリンパスのグローバルコンプライアンス部門は、「オリンパスグローバル行動規範」および会社方針の周知徹底を図るため、経営層および従業員に対し、お客さまやビジネスパートナーを公正に扱い、懸念が生じた場合には通報を可能にするなどの対応を行っています。チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)の指示の下、コンプライアンス機能はグローバルで連携し、ビジネス活動が法的要件を満たし会社のポリシーや規定に沿っているかどうかを継続的に評価しています。CCOは、CEOと取締役会の監査委員会に定期的に、また必要に応じて追加の報告を行います。
また、CCOおよびリージョナルコンプライアンスオフィサー(RCO)で構成されるグローバルコンプライアンスリーダーシップチーム(GCLT)を設置し、コンプライアンスに関する方針・施策をグローバルに展開し、地域の状況や課題を把握し、必要な是正措置を実施しています。GCLTは四半期ごとに、また必要に応じ追加の開催を行っています。
GCLTにおいて指示および確認された方針・施策は、各RCOによって各地域に適用されます。さらに、CCOおよび各RCOによって特定されたオリンパスグループ全体のコンプライアンス状況および問題は、CCOによって定期的に監査委員会に報告され、必要に応じて取締役会で議論されます。
コンプライアンス推進体制図(2021年4月現在)
取り組み
法令順守の状況
2021年3月期において、以下に示す特に対応強化を図る重要法令類をはじめ、大きな影響を与える法規制への違反に対する罰金および罰金以外の制裁措置は受けていません。
特に対応強化を図る重要法令類
制定区分 | 法令名称など |
---|---|
日本の法令/ガイドライン | 不正競争防止法など賄賂防止関連法令 国家公務員倫理法・倫理規程 公正競争規約 医療機器業界における医療機関等との透明性ガイドライン (一般社団法人日本医療機器産業連合会作成) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法) 下請代金支払遅延等防止法(下請法) 労働基準法・労働安全衛生法など労働関連法令 インサイダー取引 個人情報保護法・マイナンバー法 反社会的勢力対策に関わる法令・指針類 |
海外法令/国際条約類 | Foreign Corrupt Practices Act (海外腐敗行為防止法 米国) U.K. Bribery Act 2010(贈収賄防止法 英国) Anti-Kickback Statute(反キックバック法 米国) 国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約(OECD) 腐敗防止に関する国際連合条約 その他、不正競争防止に関わる法令類 Physician Payment Sunshine Provision(サンシャイン法 米国) 独占禁止に関わる法令類 反社会的勢力対策に関わる法令類 |
制度・仕組み
通報制度
オリンパスグループは、事業展開する各分野における法令・業界ガイドラインの順守、ならびに高い倫理基準に基づく行動の実践を宣言しています。
その実践を支える制度として、従業員をはじめお取引先(サプライヤー)さまも利用可能な内部通報受付窓口を整備しています。
インテグリティ・ライン(グローバル通報窓口)
オリンパスは、誠実な企業文化を重視し、すべての従業員が質問や懸念を表明できる安全でオープンな職場を提供しています。オリンパスでは、全従業員、第三者、一般の方が懸念事項を報告できるグローバル通報窓口「オリンパス・インテグリティ・ライン」を開設しています。オリンパス・インテグリティ・ラインは、独立した第三者によって運営されており、365日、24時間いつでも、多言語での受付が可能です。グローバルコンプライアンス部門は、インテグリティ・ラインと通報システムの周知に向けた取り組みを促進に努力して参りました。オリンパスは、誠実をもって懸念を表明した個人に対するいかなる報復も容認していません。
グローバルコンプライアンス部門は、インテグリティ・ラインの状況を管理・把握し、懸念事項の性質に応じて、人事部などの他の部門に照会します。また、インテグリティ・ライン・システムは継続的な評価、改善を行っています。2020年には、レポート機能とトレンド分析機能の強化が行われました。このレポート機能は、従業員が声を上げたり懸念を提起したりすることにより組織が変えることができるという信頼感を持ってもらうことを目的にしています。
インテグリティ・ラインの利用促進のための環境整備
グローバルチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)とリージョナルコンプライアンスオフィサー(RCO)の指示のもと、グローバルコンプライアンス機能は「オリンパスグローバル行動規範」についての一貫したメッセージ、関連するeラーニングやのコミュニケーションなどを通じて、このシステムの周知を図っています。 2021年3月期に、オリンパスにはインテグリティ・ラインなどを通じて250件の通報がありました。オリンパスは、すべての懸念の報告を真摯に受け止めています。適切な審査の結果、不正行為が立証された場合、オリンパスは、ポリシーやプロセスの修正、個人/グループへの研修・教育制度の強化、個人への警告、深刻な場合には解雇を含む是正措置を、現地の規制に従って実施します。2021年3月期は、処理が完了した通報のうち42.8%が審査を経て、その是正処置が立証されました。
コンプライアンス教育
コンプライアンス教育
グローバルコンプライアンス部門では、コンプライアンス意識の啓発と、重要法令や社内規程の理解促進と順守徹底を目的に、コンプライアンス教育の充実を図っています。日本では、コンプライアンス推進部署が、さまざまな対象者に、該当法令の特性に応じて、最適なツールを活用し、受講対象者、実施方法を選定して教育を行っています。また、海外グループ会社では、リージョナルコンプライアンス機能が、各地域統括会社単位で年間計画に基づいて計画的にコンプライアンス教育を実施しています。
主なコンプライアンス教育(オリンパスおよび国内グループ会社)
区分 | 対象者 | 方法 | 内容 | 実績 |
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全般 | 全社員 | 集合研修、 eラーニング |
コンプライアンスヘルプライン関連 | 実施回数:1回 受講者数:13,493名 |
対象社員 | 経営理念や企業行動憲章の解説、Q&A集をまとめたコンプライアンスハンドブックの配布(経営理念の改定を踏まえて、コンプライアンスハンドブックの内容を一部更新) | 配布回数:必要により適宜 配布対象:新入社員や中間採用者等 |
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重要法令教育 | 対象従業員 | 集合研修、 eラーニング |
対応強化が必要な重要法令類に関する教育 業務運営において重要法令と関わりの深い部署や担当者には、より詳しい教育プログラムを用意 |
実施回数:1回 受講者数:12,383名 (医療関連業務従業員) |
階層別研修 | 各階層 | 集合研修 | 管理者教育、昇格者教育、新入社員教育時に必須となる教育を実施 | 実施回数:計画に 沿い適宜 |
経営層のメッセージ配信 | 全社員 | イントラネット | 社長、役員、CCOによるメッセージ配信 CCOはコンプライアンス月間(10月)に配信 |
CCOメッセージ 実施回数:1回 (10月) |
経営陣との対話 | 管理職層、従業員 | タウン ミーティング |
タウンミーティングの際にグループの経営トップがコンプラ イアンスの重要性を説明 関係会社や現地法人を含めて継続的に開催 |
RCOによる スモールタウン ホールミーティング 実施回数:1回 参加者数:71名 (10部門) |