医療発展への貢献新興国における医師育成支援

オリンパスの内視鏡は、世界各国で診断治療に使われ、世界の⼈々の健康と安⼼に貢献しています。

なかでも、アジアやアフリカの新興国では、近年の急激な経済成⻑に伴う⾷⽣活の欧⽶化などの理由により、がんなどの病気(⾮感染性疾患)が増加しており、その対策が急務となっています。
オリンパスは、⽇本の優れた医療技術やサービスを新興国に普及させることで、現地の医療⽔準の向上に寄与できると考え、⽇本の政府機関や関連学会とともに、産官学連携による医師育成⽀援などの国際協⼒活動に取り組んでいます。これまでベトナムやケニアなど多くの国々で活動を行いました。

経済成⻑が著しいベトナムでは、がんの患者さんが年々増加しています。胃がんや⼤腸がんの早期発⾒や治療に⽋かせない内視鏡検査の需要が増加する⼀⽅で、その検査に必要な知識や技術を有する医師や医療スタッフの不⾜が深刻な課題となっています。そこで当社は、産官学の連携のもと、⽇本⼈医師による現地医師向けの研修事業を複数回実施しました。研修では、オンラインによる講義に加え、ベトナムの複数の都市や日本にて座学や手技実習を実施するなど、精力的に取り組みました。また、医師の研修にとどまらず、日本の学会や医療従事者が持つ知見を活かして、ベトナムの医療事情に合わせた診療ガイドラインの作成⽀援や、最新のAI技術を搭載した内視鏡診断⽀援システムの有⽤性に関する実証事業を実施しました。

ケニアでも同様に、産官学連携による現地医師の研修事業に取り組んでいます。日本の医療機関と協力して開催したケニアでの研修では、実際の内視鏡機材を使用して、日本人医師が現地の医師向けに基本的な操作方法から高度な診断技術まで丁寧な指導を行いました。また、ケニア人医師を日本へ招へいし、約1ヵ月間、集中したトレーニング環境を提供。さらに、オンラインでの遠隔カンファレンスを実施するなど、様々な方法で医師育成支援に取り組みました。

これらの活動は、今後アジアやアフリカの新興国のがん対策における課題解決と医療の発展に寄与できると考えています。私たちはこれからも新興国を含む世界の⼈々の健康と安⼼、⼼の豊かさの実現に貢献していきます。

内視鏡検査において病変が映っているかをAIが推測することで、医師の診断を補助する内視鏡画像診断⽀援のソフトウェア


ベトナム・ホーチミンで開催した研修の様子


日本での研修終了後、修了証書を授与


ケニアでの研修前オープニングセレモニー


ケニアで開催した研修の様子