世界における食道がんの傾向

1. 性別による傾向

食道がんは、世界全体でおよそ70%が男性に見られるため、女性よりも男性に多いがんと言えます。

2. リスク要因

食道がんのリスク要因としては、肥満、飲酒、喫煙、熱い飲み物の摂取、胃食道逆流症やバレット食道などの疾病もしくは食道の損傷などが挙げられます。また、稀な疾患ではありますが、食道アカラシアもリスク要因となります。食道がんは、野菜を食べ、積極的に身体を動かすことでリスクを下げられると言われています。

食道がんの罹患率は、年齢と密接な関係があり、食道がんの患者さんの85%以上は、55歳以上です。つまり、食道がんになるリスクは、年齢とともに高まるということです。


出典:
Islami F et al. Incidence Trends of Esophageal and Gastric Cancer Subtypes by Race, Ethnicity, and Age in the United States, 1997–2014. Clin Gastroenterol Hepatol. 17(3): 429–39.

3. 早期発見が克服のカギ

食道がんと診断された人の5年生存率は、米国の場合、1970年代には5%でしたが、現在は20%まで上昇しています。この20%という数字は、進行した食道がんを含みます。食道がんは進行してから見つかることが多いですが、早期に発見することによって、生存率が大幅に上昇します。したがって、食道がんでは早期発見が重要だと言えるでしょう。

本コラムは、がんに関する一般的な情報提供を目的として、医師監修の下作成されています。 医師その他医療従事者等が行うべきアドバイスやサービスの提供に取って代わるものではありません。健康状態に関して気になることがございましたら、かかりつけ医師、または専門医にご相談くださいますようお願いいたします。

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