調達部門においてサプライヤーに関する業務全体を管理する部署のリーダー

より良い社会を作っていくため、サプライヤーのみなさんとともに協力し合うことが大切―

サプライヤー:自社の業務に必要な機材や部材、原材料、サービスなどを供給する企業のこと。

Q: オリンパスに入社した理由を教えてください。

“ものづくり”に携わる企業で働きたい―

子どもの頃から機械いじりが大好きで、時計やラジオの分解などをしていました。学生時代は機械科を専攻し、ものづくりに携わる企業で働きたいと思っていました。私の実家は長野県にあり、実は通学路の途中にカメラを製造しているオリンパスの工場があったので、小さなころから馴染みのあったこともオリンパスへの入社の理由の一つになりました。

カメラ、ICレコーダー、双眼鏡は、オリンパス(株)が所有・管理する製品ではなくなりました。2021年1月以降、OMデジタルソリューションズ(株)に移管され、販売されております。

Q: オリンパスでは具体的にどのような仕事をしていますか? またどんな時にやりがいを感じますか?

縁の下の力持ちとなり、良い製品を世の中に送り出していく―

医療、科学分野の製品に使用する部材を調達する部門で働いています。調達部門の主な業務内容は、生産工場で製品を製造するために必要な部材を購入したり、新製品の開発時に試作品を作るための最適な部材を購入したりすることです。一口に「部材を購入する」といっても実はその内容はさまざまで、部材を購入する取引先(サプライヤー)を選んだりする機能、購入計画を立てたり実際に購入業務を行う機能、購入したものの品質をチェックする検査機能、それを保管する倉庫機能や各生産工場に出荷する供給機能、また、それらの業務をスムーズに行うために全体を管理するプランニング機能などがあります。プランニング機能には、オリンパスの調達業務をどのようにしていくのかという方針の管理や、購買に掛かる費用全体の管理のほか、私が主に担当しているサプライヤーに関する業務全体を管理する仕事などがあります。サプライヤーに関する管理業務では、安定した部材の購入を実施するために、サプライヤーの会社経営・財務状況確認や、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)調達の推進、取引に関する契約書の管理や下請法(下請代金支払遅延等防止法)への対応をしています。つまり、オリンパスが良い製品を世の中に送り出すために、必要な部材を問題無くサプライヤーのみなさんから購入できるよう、調達機能を健全化・強化する縁の下の力持ちのような仕事をしています。

オリンパスの主力製品の部材の半分以上は社外から購入しています。その部材が無ければ事業に大きな影響が出るため、調達部門の仕事は非常に重要です。調達業務はQCD(Quality:品質、Cost:価格、Delivery:納期)を守って当たり前というイメージがありますが、実はオリンパスが取引をさせていただいているサプライヤーは日本国内だけでも約1,000社もあり、品質の良いものを少しでも安く希望通りの納期で購入することは容易ではありません。私の仕事は、調達部門のスタッフがそうした業務を円滑に行うことができるように相談にのったり業務環境を整備したりすることで、そうした点にやりがいを感じています。

Q: ある一日のお仕事の例を紹介してください。

最近の一例を紹介します。

朝、出社後:メールをチェックし、さまざまな案件の現状把握を行う。

10:00~11:00:部内関係者と新たなグリーン調達基準について打ち合わせ。

11:00~12:00:調達窓口部門のスタッフと取引基本契約書の内容について打ち合わせ。

12:00~12:45:昼食

13:00~14:30:サプライヤーに関するさまざまなデータを整理し、社内関係者向けの報告書を作成。

14:30~16:30:新規に取引を開始するサプライヤーの会社経営・財務状況確認などの事務作業。

16:30~17:30:各打ち合わせの議事録作成など。

そのほかの業務を整理して帰宅。

グリーン調達基準:製品の製造時に、地球環境への負荷が少ない部材を使用するために定めた、部材購入に関する基準などのこと。

なお、以前は、サプライヤーから部材を購入する調達窓口業務を担当していたこともあります。その当時は、発注業務や価格交渉、購入部材の納期チェックなどを日々行っていました。生産工場への出張やサプライヤーの企業訪問をする機会も多く、海外出張もありました。また中国の生産工場に駐在した経験もあります。その際は、中国進出している日系のサプライヤーと現地のサプライヤーの両企業から部材を調達していましたが、商習慣の違いやコミュニケーションの難しさなどもあり、いろいろ勉強になりました。

Q: 学生の時に好きだった科目や、調達部門の仕事に必要なスキルは何ですか?

好きな科目や入社当時の経験が調達業務の重要な部分にも活かされた―

理数系が好きで、特に技術に関する科目が得意でした。入社当時は生産工場の製造部門の配属で、その時の製造に関する知識がその後の調達業務にも活かされたと思います。図面を読む力や製造の知識により、自分が購入するものがどのように作られているのか理解することができ、コストダウンを検討する際にもどこがポイントなのか想像することができました。

しかし、調達部門にはさまざまな機能があり、例えばサプライヤーの経営状態を確認させていただく場合は財務的な知識が必要だったり、法的な知識が要求されたりすることもありますので、必ずしも理数系・技術系の出身者である必要はないと思います。

Q: 最後に「企業の社会貢献」について、どのように感じていますか?

現在の担当業務では、「CSR調達」を意識しており、取引のあるサプライヤーのみなさんに対しても、オリンパスにおけるCSR(企業の社会的責任)の考え方を理解し共有していただくよう取り組んでいます。具体的には、地域の法令・社会規範に沿っているか、賄賂の禁止、労働基準・安全衛生面の管理体制は整っているか、公平かつ公正な取引を推進しているか、環境へ配慮しているか、情報管理ができているか、社会貢献の推進が行われているか、などの点についてお互いに守っていき、ともにより良い社会を作っていくため協力し合うことが重要だと思っています。そのようなことも社会貢献の一助になっているのではないか、と考えています。