製品責任
基本的な考え方・方針
オリンパスグループは、製品・サービスの品質および安全性を高め、お客さまに満⾜していただける製品・サービスの提供を⾏っています。
品質保証
オリンパスグループは、経営理念に基づき、「オリンパスグローバル クオリティ・ポリシー」を制定しています。オリンパスグループのすべてのメンバーに対して、クオリティ・ポリシーを⽇常業務に浸透させる施策に継続して取り組み、安全・品質を重視するマインドを醸成しています。
推進体制
品質マネジメント体制
オリンパスグループは、チーフクオリティオフィサーおよび各国の品質法規制機能部⾨メンバーを中⼼に、グローバルプロセスの⾒直し、改善活動を⾏っています。その活動の⼀つとして、オリンパスグループの事業部⾨およびグループ会社では、国際的な品質管理の規格であるISO13485認証などの取得および維持を推進しています。また、グローバルマネジメントルールに基づき、執⾏役および品質法規制機能のトップであるチーフクオリティオフィサーへ定期報告を⾏い、全社課題の明確化を⾏っています。さらに、各品質マネジメントシステムの状況を客観的な視点で監視することを⽬的としたグループ内部品質監査を実施し、各組織の状況把握と改善を促進しています。
取り組み
安全・品質を重視するマインドの醸成
オリンパスグループは、オリンパスグループすべての従業員がお客さま、患者さんの安全・安⼼を第⼀に考えて⾏動するマインドを持つことが重要であると認識しています。そのため、お客さま、患者さんの安全・安⼼を重視する組織⾵⼟を醸成する活動を、継続して実施しています。その活動の⼀つとして、品質月間や各種セミナー・eラーニングなどを実施し、⽇々の業務がお客さま・患者さんの安⼼・安全につながっていることを改めて認識する機会を積極的に設けています。
情報の適切な開示
事例1)
オリンパスグループは、オリンパスグループ製品の環境関連物質に関する法律の遵守と環境負荷低減を図るため、各国の環境関連物質の取り扱いや法規制の動向等の情報収集を⾏い、オリンパスグループ製品に含有される環境関連物質の基準として「製品における環境関連物質管理基準」を定めています。この基準はWebサイトにて公開しています。
事例2)
オリンパスでは、医療従事者向けの会員制サイト「オリンパス医療ウェブサイト メディカルタウン」で、内視鏡関連製品や内視鏡検査・⼿技などの専⾨的な情報を提供しています。また、製品の回収(改修)や注意喚起といった「医療安全情報」は、より透明性を⾼めるため会員以外のお客さまにも開⽰しています。
製品の有効性・安全性評価における生命倫理の尊重
オリンパスでは、世界の人々の健康と安心、心の豊かさを実現することを私たちの存在意義としています。このミッションを達成するために、医療機器の研究開発プロセスにおいて動物を使⽤する場合があります。その場合には動物の⽣命を尊重しつつ、科学的観点と動物愛護の観点から適正に動物実験を実施するよう努めています。業界基準と規制要件を遵守することで、医療機器の安全性と有効性を確保しています。これらの活動によって、患者さんへのリスクを最小限に抑えるだけでなく、動物福祉においても最高水準を維持します。これらの取り組みを通じて、私たちは医療技術の進歩を推進しつつ、倫理規範を満たし患者さんの安全へのコミットメントを継続していきます。
動物の使用が不可欠な場合、オリンパスはRusselとBurchが提唱した3Rの原則(代替法の利用、使用数の削減、苦痛の軽減)に基づき、その実践に努めています。※1,※2
- Replacementは、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること。
- Reductionは、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り利用に供される動物の数を少なくすること。
- Refinementは、利用に必要な限度において、できる限り動物に苦痛を与えない方法によって行うこと。
動物を使用するすべての研究活動は、動物実験委員会の審査など、各国の関連法規およびガイドライン(例えば、米国動物福祉法、 米国科学アカデミーの「Guide for the Care and Use of Laboratory Animals」、「動物の愛護及び管理に関する法律」、「厚⽣労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」)に準拠して行われます。
トレーニングに関しては、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させるという当社のミッションを実現するため、医療従事者に対する包括的なトレーニングが不可欠です。可能な限り、シミュレーションシステム、組織モデル、講義ベースの包括的指導など、無生物を用いた方法を採用しています。代替手段が利用できない場合や不十分な場合、研究開発において動物を使用する際と同様に倫理的かつ人道的に実験動物を取り扱うこととしています。当社は、国際的なガイドラインに準拠しており、特に世界医師会(WMA)のヘルシンキ宣言では、人間を対象とする医学研究を行うにあたっては動物実験等に基づき、一般的に受け入れられた科学的原則に従う必要性を明記しています。
これらの取り組みを通じて、私たちは医療技術の進歩を推進しつつ、倫理規範の遵守と患者さんの安全へのコミットメントを堅持してまいります。
※1 Russell, W M. S, and Rex L. Burch. The Principles of Humane Experimental Technique. London: Methuen, 1959. Print.
※2 National Research Council. 2011. Guide for the Care and Use of Laboratory Animals: Eighth Edition. Washington, DC: The National Academies Press.

