KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd.は、OHSAS18001の認証の下で労働安全衛生の推進を進めてきました。2021年1月にKeyMedの全拠点においてISO45001への認証移行を完了しました。今後も引き続き、マネジメントシステムの各条項の順守状況について外部審査を受審して、認証を維持していきます。
労働安全衛生
基本的な考え方・方針
オリンパスグループは、「オリンパスグローバル行動規範」において、職場の安全衛生と従業員の健康についての考え方と、そのために必要な行動を以下のように定めています。
安全で衛生的な職場環境
オリンパスにとって職場の安全衛生は最優先事項です。私たちは、職場での事故や職業病を防ぐための事前措置を講じています。人間工学に基づいた、働きやすい環境の提供に努めており、健康とウェルネスの促進を図っています。
必要な行動
- 自分と他者の安全を念頭に、正しい判断を下し、行動する。
- 安全上の懸念や、業務上の傷害や疾病の発生状況を報告する。
- 暴力行為を決して軽視せず、他者からの暴力的な脅迫やその兆候を報告する。
- 該当する安全衛生規制を順守する。
この行動規範を行動に移す上での方針を示す「環境安全衛生ポリシー」を策定し、安全で健康的に働くことのできる職場環境の整備に努めています。
推進体制・取り組み
グローバルな安全衛生活動体制
オリンパスグループでは、トップマネジメントを筆頭に下図のような体制でグローバルな安全衛生体制を進めています。「環境安全衛生ポリシー」にのっとり、年度ごとのEHS(環境・健康・安全衛生)活動方針を定めてグローバル拠点に展開しています。定期的に各地域の安全衛生に関わる活動内容や労働災害の実態を把握して、グループ全体の安全衛生の仕組みの整備やリスク低減の取り組みを推進しています。
外部認証取得状況一覧(労働安全衛生マネジメントシステム)
オリンパスは、労働安全衛生の管理システムを構築・維持し、継続的に改善するとともに、顧客やステークホルダーからの信頼性向上のために、労働安全衛生マネジメントシステムの認証取得の取り組みを進めています。2021年3月期には、白河オリンパス(日本)、KeyMed (Medical & Industrial Equipment)Ltd.(英国)で、ISO 45001の認証を取得しました。
事業場 | 認証 | 取得年 |
---|---|---|
会津オリンパス | JISHA方式適格OSHMS※1 | 2011年 |
白河オリンパス | ISO 45001 | 2020年 |
青森オリンパス | JISHA方式適格OSHMS※1 | 2009年 |
Olympus Scientific Solutions Americas Corp. | OHSAS 18001 | - |
KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd. | ISO 45001 | 2020年 |
Olympus Iberia S.A.U. | OHSAS 18001 | - |
※1 中央労働災害防止協会が実施しているJISHA方式適格OSHMS基準に適合している事業場を評価認証機関が認証する制度
労働災害データ
労働災害データの集計および分析は、2020年3月期より対象範囲をオリンパスグループの主要拠点(米州地域および製造・修理拠点、欧州地域統括会社および製造・修理拠点、アジアの製造・修理拠点)に広げています。
労働災害データの範囲については以下の通りです。
日本:2017年3月期、2018年3月期 オリンパス株式会社および日本の主要連結グループ会社11社
2019年3月期、2020年3月期 、2021年3月期オリンパス株式会社および日本の全ての連結グループ会社14社
米州:地域統括会社Olympus Corporation of the Americasと主要関係会社
欧州:地域統括会社Olympus Europa SE & Co. KGと主要関係会社
アジア・オセアニア:主要製造拠点
業務上災害件数
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 55 | 64 | 50 | 56 | 35★ |
米州 | - | - | - | 55 | 26★ |
欧州 | - | - | - | 20 | 47★ |
アジア・オセアニア | - | - | - | 10 | 13★ |
合計 | - | - | - | 141 | 121★ |
★ 第三者検証における保証対象指標
休業災害件数
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 11 | 10 | 6 | 4 | 2★ |
米州 | - | - | - | 20 | 4★ |
欧州 | - | - | - | 6 | 16★ |
アジア・オセアニア | - | - | - | 8 | 6★ |
合計 | - | - | - | 38 | 28★ |
★ 第三者検証における保証対象指標
休業災害(1日以上)度数率※2(LTIFR)
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 0.39 | 0.34 | 0.20 | 0.13 | 0.08★ |
米州 | - | - | - | 1.93 | 0.39★ |
欧州 | - | - | - | 1.07 | 2.04★ |
アジア・オセアニア | - | - | - | 0.77 | 0.62★ |
全体 | - | - | - | 0.66 | 0.52★ |
全産業(日本)※3 | 1.63 | 1.66 | 1.83 | 1.80 | 1.95 |
製造業(日本)※3 | 1.15 | 1.02 | 1.20 | 1.20 | 1.21 |
★ 第三者検証における保証対象指標
※2 休業災害度数率=休業災害件数÷(期末平均従業員数×労働時間)×1,000,000
※3 厚生労働省 労働災害動向調査より
業務上疾病度数率※4(OIFR)
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 0.07 | 0.07 | 0.07 | 0 | 0★ |
★ 第三者検証における保証対象指標
※4 業務上疾病度数率=休業を伴う業務上疾病件数※5÷(期末平均従業員数×労働時間)×1,000,000
※5 業務上災害のうち、厚生労働省職業病リスト(労働基準法施行規則(昭和二十二年厚生省令第二十三号) 別表第一の二)に該当するもの
労働災害死亡者数
2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0★ |
米州 | - | - | - | 0 | 0★ |
欧州 | - | - | - | 0 | 0★ |
アジア・オセアニア | - | - | - | 0 | 0★ |
合計 | - | - | - | 0 | 0★ |
★ 第三者検証における保証対象指標
従業員教育
オリンパスグループは従業員の安全衛生に対する意識を高めるために、さまざまな安全衛生教育を実施しています。
地域 | 教育内容 |
---|---|
日本 |
|
米州 |
|
欧州 | メンタルヘルスワークショップ(2020年10月、2021年2-3月実施) |
中国 |
|
アジア・オセアニア |
|
各地域の活動
日本地域の取り組み
日本地域では、「労働安全衛生マネジメント規程」に基づいて、各事業場に設置された安全衛生委員会の代表者で構成された「全社安全衛生推進委員会」を設置し、安全衛生活動計画の達成に向けて活動を推進しています。具体的には、安全衛生の管理仕組みの構築と改善、リスクアセスメントに基づくリスク管理、従業員への教育・訓練と意識啓発などの取り組みを進めています。
白河事業場 OHSAS18001からISO45001への移行が完了
白河オリンパスおよびオリンパス白河事業場は、OHSAS18001の認証の下で労働安全衛生の推進を進めてきました。ISO45001の発効をきっかけにして、安全衛生の仕組みにおいて、リーダーシップ・コミットメントをさらに明確にし、働く人全員が参加する体制に進化させました。新型コロナウイルスの影響によりオンラインで実施された審査を経て、2020年12月にISO45001の認証を取得することできました。今後も全員参加による安全衛生活動の継続的改善を通じて、従業員がより安心して働ける職場環境をつくる取り組みを推進します。
危険体感教育
労働災害は「職場の不安全状態」と「人の不安全行動」が重なることで発生します。
従来は「職場の不安全状態」による危険リスクの低減に着目していましたが、製造業で特徴的な「人の不安全行動」に焦点を当てた教育を、会津オリンパス、青森オリンパス、白河オリンパス、長野オリンパスの製造4拠点で実施しています。指や作業着が巻き込まれた際の危険性を体感する「巻き込まれ」や、手の模型を使って不安定な状態でドライバーが滑った時の危険性を体感する「突き刺し」など、体感機器を使用した各種教育を行っています。
安全衛生推進者に対するリスクアセスメント講習
リスクアセスメントは安全衛生を推進する上で最も重要な取り組みの一つと位置付けています。リスクアセスメントをより効果的なものとするために、外部講師を招いて安全衛生推進者を対象にオンライン講習を実施し、101名が参加しました。危険源の特定の仕方やリスク評価の進め方について、対話型のロールプレイングを行いました。
米州の取り組み
従業員のニアミス報告
(Olympus Corporation of the Americas 米国)
Olympus Corporation of the Americas では、全従業員に対し負傷または疾病に至らずに済んだ全ての事例について報告することが奨励されています。このような事例の共有により、他の従業員の負傷または疾病の予防に努めています。
欧州の取り組み
International SOS サービスの活用
(Olympus Europa SE & Co. KG ドイツ)
Olympus Europa SE & Co. KGは、出張中の従業員を支援する仕組みとして、リスク、健康被害、場合によっては旅行国の特別な状況について従業員と情報を共有します。特に、困難な政治状況、問題のある医療およびインフラストラクチャー、または自然災害の影響を有する国への業務出張については、慎重に準備しています。そのために、ISOS(International SOS )のサービスを活用し、旅行および各国に関する最新情報を提供します。ISOSは、医療緊急事態等の出張前・出張中の支援、標準の病院の捜索、不安時の避難、窃盗等の異常事態への助言等を行っており、いつでも簡単に連絡できます。
ISO45001への移行完了
(KeyMed (Medical & Industrial Equipment) Ltd. 英国)
中国の取り組み
上海自由貿易区から表彰
(Olympus Trading (Shanghai) Limited 上海)
上海市応急管理局からの表彰状
Olympus Trading (Shanghai) Limitedでは、上海市応急管理局の要求である企業安全生産標準化の基本規格に基づき安全生産・職業健康・職場環境評価等を含む安全生産管理体制を構築しています。「安全第一、予防第一、総合管理」を目標として、安全生産についての方針や目標の設定、委員会の設置、緊急時対応マニュアルの作成、緊急時対応訓練を実施しています。
2015年6月に初めての安全生産標準化企業認定証書を取得しました。さらに2019年3月期には安全生産面を改善し、上海自由貿易区から表彰されました。
今後も定期的に安全生産に関するリスクや事例の分析を実施するとともに、多様なトレーニングで社員の安全生産意識の向上を図っていきます。
安全衛生パトロール・消防避難訓練
(Olympus (GuangZhou) Industrial Co., Ltd. 広州)
Olympus (GuangZhou) Industrial Co., Ltd. では、安全で衛生的な職場の維持のために、1日2回の職場安全確認に加えて、創立記念日などの長期休暇前には職場の安全衛生パトロールを実施しています。
また、従業員の安全意識向上の取り組みの一つとして、毎年消防避難訓練を実施しています。これにより消防組織の協調や指揮能力の向上、いざという時の各消防隊の避難、救助、消火の能力の向上と従業員の消防安全意識の向上を図っています。
アジア・オセアニアの取り組み
労働安全教育
(Olympus Vietnam Co., Ltd. ベトナム)
Olympus Vietnam Co., Ltd.では、ベトナムの規制に基づき、年1回以上の労働安全教育を実施しています。
約5,000人の従業員数に対し、社内だけでなく、社外を活用した研修も実施しています。
安全第一とした工場の労働安全の原則やルールを順守するために、従業員の労働安全衛生に関する研修などを通じ知識の向上を図っています。
安全運転の推進
(Olympus Australia Pty Ltd. オーストラリア)
Olympus Australia Pty Ltd.では、交通事故の削減に向けて、フィールドスタッフ向けに安全運転の社内ルールを新たに策定しました。