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ユーザー目線を第一に考え、次世代カプセル内視鏡開発に挑む

  • 研究・開発

エレクトロニクスエンジニア

入社の動機

大学院では電気電子工学を専攻していました。就職先には、電気関係の知識を活かしつつ、自分のイメージしたものを形として残せる仕事がしたいという思いから、メーカーの開発職を希望していました。なかでも医療業界に興味を持ったのは、人の役に立つような製品に携われると考えたからです。

いざ調べてみると、医療業界ではオリンパスのように、内視鏡など電気系の技術が取り入れられた製品を多く扱っている企業は珍しく、オリンパスは電気系でも活躍のチャンスがある企業であることがわかりました。それまではカメラのイメージだったオリンパスでしたが、医療機器の電気系の開発ができる会社として志望するに至りました。

仕事の内容

カプセル内視鏡検査を実施するためのシステム一式を開発する部署に所属し、次世代のカプセル内視鏡の製品開発を行っています。カプセル内視鏡は、小型カメラや照明を内蔵した錠剤程度の大きさのカプセルを口から飲み込むことで、腸管内の撮影ができる医療機器です。カプセルが撮影した画像は無線で受信装置に送られる仕組みになっていて、撮影終了後にはパソコンにダウンロードし、医師が行う画像診断の材料として提供されます。

私が担当しているのは、受信装置の部分です。カプセル内視鏡による検査自体はカプセル内視鏡を飲み込むだけで、検査中も日常生活を送っていただける簡便なものです。ただ、受信装置は常に携帯してもらう必要があるので、例えばパソコンのように大きな受信装置だと不便になります。携帯端末のようなものを思い浮かべてもらうとわかりやすいかもしれません。より使いやすくなるような受信装置を目指して、操作性の改善や検査の効率化などを図っています。

また、カプセル内視鏡は医師にしか使えないものなので、ユーザーである医師の意見は重要です。そのため実際に病院に出向き、意見を伺うことも大切な仕事の一つです。現在の業務としては、この医師のニーズが要求仕様として定義されたものに対して、設計・回路図面を作成し、できた試作機を検討。仕様が満たされているかどうかを確認する、といったことを中心に行っています。

やりがい

自分が担当して実際に形になったのは、まだ試作機だけですが、初めて作った基板が自分の思っていたように動いてくれたときは、それだけでうれしかったです。頭の中で描いていたものが、実際に形になった感動は言葉では言い表せません。「あっ、動く!」と本当にワクワクしました。「モノ」としてできてくると不具合などの課題が見えてはくるのですが、同時に、もっと良くするためにはどうすればいいのかなど、モチベーションがさらに高まりました。

自分のアイデアが今後、製品の一部として医療機器に搭載されることを考えると、命にかかわってくる製品だけあって、責任の重さを感じます。しかし、だからこそ、人々の役に立てるよう、もっと頑張ろうという気持ちや、やりがいへとつながっています。製品が世に出たとき、「自分が担当した製品なんです」と誇りを持って言えるように、製品開発に精一杯向き合っていきたいと思っています。

苦心していること

入社して2年目に入るあたりで、試作基板の設計、出図、評価と開発の一通りのプロセスを体験するという貴重な機会を得ました。電気の開発という限られた枠組みだけではなく、専門知識が異なる機械系や情報系の部署との仕様調整や、バックグラウンドが大きく異なる製造、品質、法規制、調達などの部署との交渉が多くあったのですが、過不足なく情報を伝えることに苦心しました。それぞれが持っている知識や常識が違う状況で物事を進めていくことは、学生時代には経験したことがなかったので、難しかったですね。

それでも、先輩や上司の助けを借りながら一つひとつの根拠を明確にするように意識して、お互いにわからないところをつぶさになくしていくように心がけました。自ら働きかけるコミュニケーションを積極的に続けるうちに、段々と理解してもらえるようになってきたと感じています。

職場の紹介

先輩や上司に対しても意見を伝えやすく、わからないことも気軽に質問できるような職場です。今は年齢的に一番若手ということもあり、サポートのある環境に助かっています。

専門分野ごとの研修もかなりしっかりしています。電気系出身の場合、分野が広いため、学生のときに研究していたことと違う業務に携わることもあると思います。私も学生時代の研究とは違う分野の仕事をしていますが、研修で現場に必要なスキルを基礎から応用まで幅広くカバーしてもらえたので、業務に入る前に地盤を固めて臨むことができました。

また、オンとオフの切り替えがしやすいのもいいところだと思います。例えば、有給休暇を5日間連続で取得できる「クリエイティブホリデー制度」があります。月曜日から金曜日まで休みをとると、前後の土日を入れて9連休。部署の誰かが1週間いなくなると、やはり周りが大変になるわけですが、メンバーが全力でサポートしてくれるので、気兼ねなく休むことができています。学生時代から旅行が趣味で、東南アジアをはじめ、アメリカやスペインなどを訪れていましたが、社会人になったらしばらくは海外旅行は難しいかなと思っていました。でも、この制度を利用して、1年目からプラハ旅行を楽しんできました。恵まれた環境に本当に感謝しています。

学生の皆さまへ

やっておけばよかったなということは、過ぎてから感じることが多いです。私も就職活動でいえば、初めから業界や職種を絞ってしまわずに、いろいろな企業に話だけでも聞きに行けばよかったと思うことがあります。ただ、それを後悔という形ではなく、「あのときは精一杯に頑張っていたんだから」とポジティブに振り返ることができるよう、学業もサークル活動も就職活動も、今できることに全力で取り組むといいかなと思います。

一緒に仕事をする仲間としては、何でも楽しめる人がいいですね。技術職といっても専門的なところだけをやればいいわけではなく、他部署とのコミュニケーションが必須です。相手の意見も柔軟に受け入れて、臨機応変に対応しなければなりません。そうしたことも含めて楽しめて、自分のパワーにできるような人が入社してくださることを期待しています。

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