人材開発

オリンパスにおける人材育成と能力開発

オリンパスグループは、従業員を現在、そして未来の成功を支える原動力であると考えています。「私たちの存在意義」である世界の人々の健康と安心、心の豊かさを実現し、常に患者さんの安全を第一に考えるために、私たちはすべての従業員がグループ共通の戦略的な目標と「私たちのコアバリュー」を深く理解するとともに、専門性と個人としての能力を継続的に高めていけるよう支援することにコミットしています。これにより、従業員一人ひとりが価値ある貢献ができるよう後押しします。

私たちの目標は、継続的な成長の文化を育むことです。市場・技術・社会の期待が急速に変化するなか、学びに終わりはないと私たちは強く信じています。オリンパスは、体系的な研修・教育に加え、協働の機会やリーダー層の関与、成長を加速させるOJTを通じた経験学習まで、多様な機会を積極的に提供することでこれを支援しています。

模範となるリーダーの存在は、事業の成功と企業文化の変革の両方を実現する重要な要素です。「グローバル・リーダーシップ・コンピテンシー・モデル(GLCM)」は、リーダーシップ開発、タレント&サクセッションマネジメント、採用の意思決定などを、一貫性のあるグローバルな枠組みで導くものであり、組織全体で周囲に良い影響を与え、成果を上げるリーダーを育成することを目的としています。

私たちは、国や文化を越えた協働と戦略的な方向性の統一を促進する、グローバルに整合したプロセスとプログラムの構築を目指しています。パフォーマンスと能力開発に対する一貫したグローバルアプローチを通じて、継続的なフィードバック、自らの成長に主体的に取り組む姿勢、そして個人の志向と組織目標との整合を促しています。また、定期的な従業員エンゲージメント調査によって進捗を確認し、従業員の成長と企業文化の醸成に向けた取り組みを継続的に改善しています。これにより、オリンパスは、人材一人ひとりが能力を発揮でき、より大きなインパクトを生み出し続ける組織であり続けることを目指しています。

能力開発体系

オリンパスは、リーダー、従業員一人ひとり、そしてチームそれぞれを対象に設計された包括的な学習機会を提供することで、従業員が成長し、リーダーシップを発揮し、世界中の患者さんに価値あるインパクトをもたらせるよう後押しします。

すべての従業員を対象に、リーダーシップとビジネス遂行に重要な能力を開発し、個人として、またプロフェッショナルとしての成長を加速させます。私たちは、目的別のプログラム、LinkedInラーニングなどのデジタル学習プラットフォーム、ラーニングパスを組み合わせることで、変化する事業環境や個人のニーズに応じた継続的かつ柔軟な能力開発を実現しています。多様なグローバル組織の中で従業員が活躍できるよう、異文化理解学習、Global 360フィードバック、メンタリング、コーチング、英語学習の取り組み、GlobeSmartなどの革新的なツールを通じて協働とインクルーシブなリーダーシップを促進するとともに、チームが効果的な異文化間コラボレーションを実現できるよう、ファシリテーターが進行するワークショップも実施しています。

「私たちの存在意義」と「私たちのコアバリュー」を根幹に据え、患者さんの安全と品質をすべての取り組みの中心に置いています。グローバルオンボーディングやコアバリューに関する取り組み、実践的な学習体験、患者さんや医療従事者との交流を通じて、すべての従業員が自らの役割や貢献を理解する企業文化を育んでいます。組織全体で実施した「患者さんの安全と品質」の対面ワークショップでは、「私たちの存在意義」とコアバリュー、そして私たち一人ひとりが日々どのように行動できるかを確認しました。また、品質に関するeラーニングは92%の従業員が受講し、品質と患者さんの安全がオリンパスにとって最優先事項であることを改めて確認しました。同時に、職種別の研修やアカデミーを通じて高度な専門性を培い、イノベーションやオペレーショナル・エクセレンス、そして最終的には患者さんへのより良い医療の提供につながる能力を強化しています。AIの導入とスキル向上に向けたデジタル施策は、イノベーションによる成長と市場におけるリーダーシップという戦略的目標を支えています。

グローバル学習管理システム(LMS)の段階的な導入により、グローバルで能力開発機会へのアクセスを確保するとともに、オリンパスの人材がキャリアを次のレベルへと高めるためのワンストップで利用できる環境の実現を目指しています。

リーダーシップ開発

オリンパスは2019年に「グローバル・リーダーシップ・コンピテンシー・モデル(GLCM)」を導入しました。これは、戦略を実行し意味あるインパクトを生み出すためにリーダーが必要とする重要な能力を定義したものです。当初はグローバルの主要ポジションにおけるタレント&サクセッションマネジメントに適用されましたが、2021年には世界中のすべてのマネジメント職へと拡大され、採用・タレント開発・学習全体にわたる一貫した基盤となっています。

2024年2月のコアバリュー改訂に伴い、GLCMを「私たちの存在意義」および戦略的優先事項との整合性をさらに高める形で刷新しました。この新たなモデルは、複雑かつ変化の速いメドテック環境でリーダーシップを発揮するために必要な能力を明確にするものであり、イノベーション、パフォーマンス、患者さんへのインパクトを継続的に推進することを目的としています。現在、GLCMはオリンパスにおけるすべてのグローバルリーダーシップ開発の基盤となっています。

リーダーの成長を支援するため、2022年5月にはGlobal 360フィードバックのプロセスを導入しました。これは、リーダーがマネージャー・同僚・チームメンバーから総合的な洞察を得ることができる、有効な能力開発の機会です。導入以来、約1,400名のリーダーが参加し、得られたフィードバックをグローバルおよび地域のプログラムにおける自らの成長とリーダーシップの効果向上に活かしています。

また、パフォーマンスとポテンシャルを評価する9ボックスマトリクスの活用を含む、体系的かつデータに基づくタレント&サクセッションマネジメントのアプローチを通じて、人材パイプラインをさらに強化しています。これにより、一人ひとり応じた能力開発、ハイポテンシャル人材の特定、戦略的優先事項に沿った強固で持続可能なサクセッションパイプラインの確保が可能となります。タレント開発ツールキット・タレント開発セッション・表彰ツールキットは、リーダーが、高いパフォーマンスを発揮するチームを構築し、個人のニーズと組織の方向性に基づいて人材のキャリア形成を支援するうえで役立ちます。

2025年8月に立ち上げた「GROWリーダーチャンネル」は、世界中のオリンパスのすべてのリーダーがつながり、方向性を合わせ、ともに成長するためのグローバルプラットフォームです。世界中のリーダーがお互いの視点を共有し、ネットワークを強化し、継続的に学び合うことができる場を提供します。 「GROWリーダーセッション」を通じて、リーダーが組織を効果的に導くために必要な洞察と能力を身につけられるよう、戦略的に重要なテーマを取り上げています。これにより、オリンパス全体でインパクトをもたらす強固でつながりのあるリーダーシップコミュニティの形成を促進しています。

日本での研修・教育例

オリンパスおよびオリンパスマーケティング株式会社では、eラーニングをはじめ、集型研修による専門スキルトレーニングやコンプライアンス教育などの学習プログラムと機会を従業員に提供してきました。昨今、オンライン環境がより発展を遂げている状況に合わせ、さらに効果的・効率的な能力開発の仕組みづくりに取り組んでいます。具体的には、集型研修のオンライン化による移動コストの削減、社内スタジオの新設、既存プログラムの動画化・オンデマンド化による利用率向上、さらにこれらを組みわせた反転学習による学習効果向上などを実現しています。

ものづくり人材育成制度

高度技能者育成制度の技能レベル(日本の製造拠点)高度技能者/技能グランプリ挑戦、社外指導、技能道場での指導/レベル6MM/レベル5MS/レベル4MA・一般技能者/OTSや技術道場での研修、社内外の技能検定挑戦/レベル3/レベル2/レベル1
高度技能者育成制度の技能レベル(日本の製造拠点)

オリンパスグループは、製造現場の技能者は付加価値を生み出す重要な源泉と考えています。

日本の製造拠点では、機能研修プログラムの一つとして「ものづくり人材育成制度」を設け、業務で必要となる技能レベルを6段階に区分し、計画的なレベルアップを図っています。レベル1の新入社員からレベル3までを一般技能者、レベル4以上は高い技術技能を持つ「高度技能者」として認定します。レベル4を「Manufacturing Advisor(MA)」、レベル5を「Manufacturing Supervisor(MS)」、そして最高位のレベル6を「Manufacturing Master(MM)」と称しています。新入社員からMMに至るまで、レベルに応じた育成を計画的に行っています。

また、上位レベル認定を目指す従業員のためのトレーニングプログラムの実施や、上位認定者から助言を受けられるためこれらによって組織力強化はもちろん、個人のモチベーション向上にも繋がっています。さらに、医療関連製品の製造を担うOlympus Vietnam Co., Ltd.では、接着やろう付けなど、日本の製造拠点と同じ資格認定制度なども取り入れて、グローバルな製造体制の構築に資するよう研修・教育制度の充実に努めています。

グローバル人事評価制度の概要

オリンパスは、2023年5月にグローバル人事評価制度と目標管理システムを導入しました。これにより、グローバルで統一したパフォーマンス管理が可能となり、システムを通して、グローバルで一貫したタレントマネジメントとサクセッションの実現を図っています。

世界有数のグローバルメドテックカンパニーになるというオリンパスのビジョンと意欲の実現には、健全なパフォーマンス文化をはぐくむことが大きな鍵となります。オリンパスは、人材管理、人材確保および人材の長期定着について統一したアプローチをとっています。

本制度により、従業員一人ひとりがキャリアの将来像を思い描けるように支援し、能力開発、人事評価とそのフィードバックを、スキルや個人の目標、そして事業の成功に寄与する日々の業務に紐づけています。またこの仕組みは、公平性と一貫性に重点を置いており、誰もが透明性の高い方法に基づいた評価を受けることができるよう設計されています。

また、人材育成・管理のプロセスと足並みを揃えて連携し、適所適材の人材配置が適切なタイミングで行われるようにします。オリンパスは、人材への投資が成功のカギであり、成果目標達成のために極めて重要であることを認識しています。

マネージャーと従業員の対話

本制度は、会計年度毎に対応しています。成果目標の設定と合意の段階では、従業員とマネージャーが目標について話し合い、合意します。各会計年度開始から約半年後に、従業員とそのマネージャーは、パフォーマンスの成果目標が予定通りかどうか、進捗状況を確認します。年度末の評価は、4月から6月にかけて、一連のレビューについての話し合いのセッションが設けられます。

マネージャーと従業員は、年間を通して定期的にパフォーマンスに関する対話を行い、状況を把握できるようにします。パフォーマンス、能力開発、フィードバックに関する対話を日常化し、目標が計画通りに進んでいない場合にサポートを提供できるようにしています。

経営戦略に関連付けた個人の目標設定

従業員は、経営戦略で掲げられた3つの基本的な指針(イノベーションによる成長、シンプル化、責任ある行動)に関連付けて、各々の成果目標を設定し、その達成度に応じて人事評価が行われます。なかでも、患者さんの安全と法規制の遵守は当社にとって最優先事項であるため、全従業員が品質を追求するためのグローバル共通の目標を設定しています。

日々の職務遂行において、関連するすべての適用法、規制、業界標準、および業務を管理するすべてのポリシーと手順を理解・遵守することに加え、潜在的な安全上のリスク、危険、またはコンプライアンス違反の事例を特定して報告すること、関連するイニシアチブに積極的に参加することが、機能や役割に関係なく、従業員一人ひとりに求められます。