事業等のリスク

当社グループの業績は、今後起こりうる様々な要因によって大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社グループの経営意思決定以外の要因で、業績変動を引き起こす要因となり得る、事業展開上の主なリスク要因を記載しています。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識した上で、発生の予防および発生した場合の対応に努める方針です。
なお、文中における将来に関する事項は、前期末時点において当社グループが判断したものです。

販売活動に係るリスク

  1. 医療事業では、医療制度改革による予測できない大規模な医療行政の方針変更その他医療業界に係る変化が発生し、その環境変化に対応できない場合や、事業活動に必要な各国の許認可を適時に取得することができない場合、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
  2. 科学事業では、各国の国家予算による研究に対するシステム供給が占める収益割合が高く、マクロ経済の変動により各国の国家予算が縮小された場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
  3. 映像事業のデジタルカメラ分野では、市場環境が厳しさを増しており、予想を超える急激な市場の縮小が生じた場合には、当社グループが進めている事業再編施策が売上減少に追いつかず、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

生産・開発活動に係るリスク

  1. 映像事業では、その生産拠点の中心を中国およびベトナムに置いているため、為替変動等の影響によってはコスト増となり、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。また、中国における反日活動など国情の不安定化、治安の悪化によっては、生産活動に影響を及ぼす可能性があります。
  2. 当社グループ内で開発・生産できない製品および部品については、特定の供給元へ開発から生産までを依存しています。その供給元の都合により、調達に制約を受けた場合には、生産および供給能力に影響を及ぼす可能性があります。
  3. 外部の生産委託先を含め、厳格な品質基準により製品の生産を行っていますが、万一、製品の不具合等が発生した場合にはリコール等、多額のコストが発生するだけでなく、当社グループの信頼が損なわれ、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
  4. 最先端の技術を用いた製品の開発を継続的に進めていますが、技術的な進歩が速く、市場の変化を充分に予測できず、顧客のニーズに合った新製品をタイムリーに開発できない場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。
  5. 研究開発および生産活動を行う中ではさまざまな知的財産権を使用しており、それらは当社グループが所有しているもの、あるいは適法に使用許諾を受けたものであると認識していますが、当社グループの認識の範囲外で第三者から知的財産権を侵害したと主張され、係争等が発生した場合には、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

業務提携および企業買収等に係るリスク

  1. 技術および製品開発に関して、業界の先進企業と長期的な戦略的提携関係を構築していますが、これらの戦略的パートナーと、財務上その他の事業上の問題の発生、目標変更等により提携関係を維持できなくなることで、当社グループの事業活動に支障が出る可能性があります。
  2. 事業拡大のため、企業買収等を実施することがありますが、買収等の対象事業を当社グループの経営戦略に沿って統合できない場合や、既存事業および買収等の対象事業について効率的な経営資源の活用を行うことができなかった場合は、当社グループの事業に影響を受けるほか、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用の発生等により、業績、財政状態に影響を受ける可能性があります。
  3. 当社グループは、業務提携の円滑な実施等の政策投資目的で、投資有価証券等を保有しております。市場経済の動向や投資先の財政状態等により、株価および評価額に著しい変動が生じる場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

資金調達に係るリスク

当社グループは、金融機関等からの借入による資金調達を行なっていますが、金融市場環境に変化があった場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

情報の流出に係るリスク

当社グループは、技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報を保有しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、社内規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等さまざまな対策を講じておりますが、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの企業価値の毀損、社会的信用の失墜、流出の影響を受けた顧客その他関係者への補償等により、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

過去の損失計上先送りに係るリスク

過去に当社が1990年代ころから有価証券投資等にかかる損失計上の先送りを行っており、Gyrus Group PLCの買収に際しファイナンシャルアドバイザーに支払った報酬や優先株の買戻しの資金ならびに国内三社(株式会社アルティス、NEWS CHEF株式会社および株式会社ヒューマラボ)の買収資金が、複数のファンドを通す等の方法により、損失計上先送りによる投資有価証券等の含み損を解消するためなどに利用されていたことについて、当社の不適切な財務報告の結果、当社に対して当社株主等が損害賠償を求め、または訴訟を提起しており、当社グループの業績および財政状態に影響が及ぶ可能性があります。決算発表日時点において係属中の訴訟の訴額の合計は294億7百万円であり、そのうち主な訴訟は以下のとおりです。

なお、当社は、前連結会計年度末において、係属中の訴訟のうち、訴訟の進行状況等に鑑み、2億17百万円を訴訟損失引当金として流動負債に計上しています。

三菱UFJ信託銀行株式会社ほか信託銀行5行、合計6行が、平成26年4月7日付(当社への訴状送達日は平成26年4月17日)で当社に対し、279億15百万円および各株式について発生した損害額に対する当該株式の取得約定日の翌日から支払済みまで年5分の割合による金員の支払いを求める損害賠償請求訴訟を提起しています。

内部統制に係るリスク

当社グループは、財務報告の適正性と信頼性ならびに業務の有効性と効率性を確保するための体制を整備し、運用するとともに、継続的な改善を図っています。しかしながら、いかに有効な内部統制システムを構築したとしても、従業員等の悪意あるいは重大な過失に基づく行動、もしくはシステム構築当時には想定していなかった事業環境等の変化など、様々な要因によりシステムが機能しなくなる可能性は皆無ではありません。

したがって、将来的に法令違反等の問題が発生する可能性があり、その場合、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損賠賠償金等の支払いが生じ、加えて当社の社会的信用の失墜により事業に悪影響が生じるなど、当社の業績に影響が及ぶ可能性があります。

法的規制に係るリスク

当社グループでは規制業種である医療事業を含む各種事業を世界各地で展開しており、本邦の法律に加え各国・地域における医療に関する法律や独占禁止法の他、米国海外腐敗行為防止法(「FCPA」)の贈賄禁止条項や英国反贈収賄法を始めとした各国・地域の贈収賄禁止に関する法律の適用を受けています。また、不当景品類及び不当表示防止法、米国反キックバック法や米国虚偽請求取締法を含む、ヘルスケア事業に関連する様々な不正防止法の規制対象にあります。

医療事業においては全世界的に政府系の医療制度が発達しており、当社グループ及び当社グループの販売店、供給者の多くが政府系の企業、政府系の医療機関および公務員と取引を行っています。一方で当社グループ及び当社グループの販売店、供給者は過去に贈収賄が発生した国・地域で事業を行っており、一定の状況においては現地の実務慣行が上記の贈収賄禁止法の厳格な適用に抵触する可能性があります。また、ヘルスケア事業に関連する様々な不正防止法の法的規制は多岐にわたり、解釈や適用指針の変更によって当社グループの販売や営業習慣が制限される可能性があります。

法的規制への違反は罰金や課徴金、禁固刑、特定の国における医療制度への参加禁止などの処罰の対象となりえます。更に、当社グループの顧客の多くが公的医療保険その他、政府による医療制度から医療費を補助されており、法的規制への違反によって制度への参加を制限された場合には当社グループの製品の需要やそれを使用した手術の症例数に対して悪影響を与える可能性があります。

当社グループではこれらの法的規制への遵守徹底を図っていますが、違反する行為を行った場合、違反の意図の有無にかかわらず、当社グループの事業、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況および株価に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の海外子会社は、過去の医療事業関連活動に関する米国反キックバック法、米国虚偽請求取締法及びFCPAの違反容疑について平成28年2月に米国司法省との間で訴追の留保に関する協定の締結に合意しております。今後、これらの法的規制に違反する行為を行った場合、当該違反に係る制裁を受けるだけでなく、訴追の留保の対象となった過去の事案についても訴追が行われ、当社グループの事業、財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及び株価に影響を及ぼす可能性があります。

米国における十二指腸内視鏡に係るリスク

当社グループが製造・販売している十二指腸内視鏡に関して、平成27年3月および8月に、当社の子会社であるオリンパスメディカルシステムズ株式会社宛てに米国司法省より情報の提供を求める旨の召喚状が発行され、その後、同省による事実関係の調査が継続しています。また、決算発表日時点、当社グループに対して、当社グループの十二指腸内視鏡によって被害を受けたと主張する民事訴訟が米国で提起されています。これらの今後の経過によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その他、包括的なリスク

当社は、国内外の子会社や関連会社等を通じて、各種事業を世界各地で展開しており、これらについては随時国内外当局の各種調査の対象となったり、法令遵守の観点から当局との協議・報告(例えば、独占禁止法や医薬品医療機器等関連法の遵守状況に関する検査への対応、あるいは米司法省へのFCPA遵守に関する自発開示)を行うことがあり、これらの調査や協議の結果によっては、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

また、自然災害、疾病、戦争、テロ等が発生した場合や予想を超える金利の上昇、為替レートの変動が発生した場合にも、収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

2017年5月2日更新