ESG戦略とマテリアリティ

オリンパスのESG戦略は経営戦略の一環として策定されており、特定したマテリアリティをベースに、推進および管理をしています。

経営戦略におけるESGの位置付け

2025年11月に発表した経営戦略では「イノベーションによる成⻑」「シンプル化」「責任ある⾏動」という3つを優先事項として掲げています。誠実で透明性のある企業であり続けるために、規制当局やステークホルダーと協⼒して、強固で持続的な組織の構築に努め、ヘルスケア業界およびESGを主導する企業になるべく、 Our Purpose私たちの存在意義である「世界の⼈々の健康と安⼼、⼼の豊かさの実現」に貢献していくことを目指していきます。
なおESGの推進は、経営戦略の「責任ある行動」における重要な取り組みの一項目として位置付けられており、これまで以上にESG戦略と経営戦略・事業戦略・機能戦略との親和性・⼀貫性を強化していきます。

マテリアリティの分析・特定プロセス

オリンパスは、2020年3月期に4つのマテリアリティを特定して以降、現在までに数回の見直しと調整を行っています。見直しと調整においては、ステークホルダーの皆さまのご意見をお聞きするとともに、社会の期待値・要求事項やメドテック業界における動向、サステナビリティの観点でのリスクと機会の分析などを踏まえ、「6つの重要領域(フォーカスエリア)」と、その下に「24項目の重要課題(マテリアリティトピックス)」を特定しています。
このマテリアリティトピックスを特定するプロセスの中で、「ステークホルダーにとっての重要性」と「オリンパスの事業へのインパクト(オリンパスにとっての重要度)」の2軸を用いてマッピングを行い、「トッププライオリティ」「ハイプライオリティ」「その他」の3段階の優先順位を付けています。特に重要度の高いトッププライオリティに位置付けたマテリアリティ項目についてはKPIを設定し、達成に向けた進捗を管理しています。また、ESG委員会や取締役会等において、進捗状況や新たな取り組みについて議論をしています。

マテリアリティの分析・特定のステップ

STEP1

社会課題の把握

前回の特定以降のサステナビリティの潮流変化に関する外部調査および、ESGに関連する各種フレームワーク、ESG調査の評価項目などから社会課題をリスト化

STEP2

ステークホルダーにとっての重要度で社会課題を優先付け

医療機関、政府機関、投資家、ESG評価機関などにインタビューを実施。ステークホルダーにとっての重要度の観点から課題を優先付け

STEP3

オリンパスにとっての重要度で社会課題を優先付け

オリンパスの事業へのインパクトの観点から課題を優先付け

STEP4

マテリアリティ特定

経営執⾏会議および取締役会での審議等のプロセスを経て、マテリアリティを特定(経営戦略の⼀部として提案され承認)。加えて特定した社会課題を2軸の観点から優先順位を付けたマテリアリティ・マトリックスを作成

マテリアリティ・マトリックス

マテリアリティ・マトリックス

オリンパスのマテリアリティ - 6つの重要領域(フォーカスエリア)と24項目の重要課題(マテリアリティトピックス)

「6つの重要領域 (フォーカスエリア)」および「24項目の重要課題(マテリアリティトピックス)」は、オリンパスの経営・事業活動と⼀体のものであり、これらに関わる活動を通じて広く社会課題の解決に貢献していきます。

ESG戦略の構造

ESG戦略の構造

6つの重要領域(フォーカスエリア)/24項目の重要課題(マテリアリティトピックス)一覧

2026年3月期

左右にスワイプが可能です

6つの重要領域
(フォーカスエリア)
24項目の重要課題(マテリアリティトピックス)
トッププライオリティ(項目) ハイプライオリティ(項目) その他(項目)
医療機会の幅広い提供
およびアウトカムの向上
  • 医療アクセスおよび医療公平性改善への貢献
    • ー 医療公平性改善への貢献
    • ー 医療従事者へのトレーニング機会・技術向上機会の提供
    • ー 高度医療製品へのアクセス性向上に向けた取り組み
  • より良い医療効果を実現するイノベーションへの取り組み
  • 早期発見・早期治療の重要性に対する認知度向上への取り組み
  • 企業市民活動および慈善活動
コンプライアンスおよび
製品の品質安全性への注力
  • 製品、サービス、ソリューションの品質、安全性と規制コンプライアンスの確保
  • 事業活動倫理とコンプライアンスの徹底遵守
  • プライバシー、情報セキュリティ、サイバーセキュリティの保全
  • リスク管理・レジリエンス管理の強化とリスク認識を意識した企業文化の醸成
  • 倫理性・誠実性に基づいたマーケティング活動
  • 製造技術改善に向けたイノベーションへの取り組み
  • 税の透明性
責任あるサプライチェーンの推進
  • サプライチェーンのリスク軽減とレジリエンスの確保
  • サプライチェーン管理上における人権尊重へのコミットメント
 
健やかな組織文化
  • インクルージョンの推進
  • 従業員の能力開発とエンゲージメントの向上
  • 労働安全衛生の確保と人権尊重への取り組み
 
社会と協調した脱炭素・
循環型社会実現への貢献
  • Scope1, 2での脱炭素への取り組み
  • Scope3での脱炭素への取り組み
  • 循環型社会実現へ貢献する製品ライフサイクル管理
  • 水資源と廃棄物の適切な管理
  • 気候変動リスクへの対応出量
  • 環境関連の情報開示の透明性確保
コーポレートガバナンス
  • コーポレートガバナンスと情報開示の透明性確保
 
  • 多様なステークホルダーとの対話

中期目標・KPIと実績(トッププライオリティ)

2026年3月期:中期目標・KPIと実績(トッププライオリティ)

トッププライオリティに位置づけたマテリアリティ項目については、それぞれKPIを設定し、達成に向けた進捗を管理しています。

左右にスワイプが可能です

6つの重要領域 トッププライオリティに位置づけたマテリアリティ項目 中期目標・KPI 実績(2026年3月期)
医療機会の幅広い提供およびアウトカムの向上
  • 医療アクセスおよび医療公平性改善への貢献
    • ー 医療公平性改善への貢献
    • ー 医療従事者へのトレーニング機会・技術向上機会の提供
    • ー 高度医療製品へのアクセス性向上に向けた取り組み
対象の新興国・地域における大腸がん関連のトレーニング開催数:年平均成長率+20% 84件実施
(2024年3⽉期実績を基準年とした年平均成⻑率+105%)
医療従事者を対象とした大腸がん関連のオンライン/ハイブリッド型トレーニング開催数:年平均成長率+20% 87件実施
(2024年3⽉期実績を基準年とした年平均成⻑率年平均成⻑率+22%)
コンプライアンスおよび製品の品質安全性への注力 製品、サービス、ソリューションの品質、安全性と規制コンプライアンスの確保 適時適切なESG情報開⽰(SASB基準※に沿った開⽰)

※ SASB基準:SASB(Sustainability Accounting Standards Board:⽶国サステナビリティ会計基準審議会)が公開した非財務情報公開の標準化に向けた基準。業種別の開⽰スタンダードが策定されている。

適切に開⽰を実施。詳細は下記をご確認ください
責任あるサプライチェーンの推進 サプライチェーンのリスク軽減とレジリエンスの確保 年次評価/モニタリング:サプライチェーンにおけるリスク評価・モニタリングの実施 デジタルプラットフォームを活⽤し、直接材取引サプライヤーを対象としたマルチメディアのサプライチェーンリスク評価・モニタリングを継続実施。
2026年3⽉期においては、サプライチェーン可視化、事業継続計画、ESGに関する評価へのサプライヤー参加をさらに進めることで、リスクの可視性を高め、より的を絞ったリスク軽減対応を可能にしました。
健やかな組織文化 インクルージョンの推進 日本※における男性社員の育児休業等取得率:100%[2026年3月期]

※ オリンパス株式会社が対象

100.6%
社会と協調した脱炭素・循環型社会実現への貢献
  • Scope1,2での脱炭素への取り組み
  • Scope3での脱炭素への取り組み
  • 循環型社会実現へ貢献する製品ライフサイクル管理
ネットゼロ:2040年3月期までにScope1,2,3の温室効果ガス排出量を実質ゼロに

温室効果ガス排出量(Scope1,2,3):859,311t-CO2e(対2020年3月期比+22%)

売上拡大に伴う部材調達の増加により、基準年比で排出量が増加。大部分を占めるサプライヤー先での排出の削減に向け、サプライヤーに温室効果ガス排出量の把握およびSBTに沿った目標設定の依頼を実施。また、直送化や船舶利用など物流時の排出削減の継続的な取り組みを実施。

カーボンニュートラル:2031年3月期までに自社事業所からの温室効果ガス排出量(Scope1,2)を実質ゼロに 温室効果ガス排出量(Scope1,2):29,566t-CO2e(対2020年3⽉期比 -76%)

※ カーボンオフセットでの相殺分を除いた場合、温室効果ガス排出量は2020年3月期比で66%削減となります。

CO2排出の削減につながる生産プロセスの改善・省エネ取り組みやCO2排出の少ない燃料への切り替えを実施。また、オフサイト型コーポレートPPA(電力購入契約)を通じた長期的な再エネ調達、グリーン電力証書などを活用した再⽣可能エネルギー由来の電⼒利⽤の拡⼤により、基準年に対して⼤幅に削減。

コーポレートガバナンス コーポレートガバナンスと情報開示の透明性確保 エンタープライズリスクマネジメント:一貫性・継続性を確保したグローバルでの実施 「リスクマネジメント及び危機対応⽅針」及び関連規程に基づきリスクマネジメントを実施。その活動結果をグループ経営執⾏会議及び取締役会へ報告。
製品の品質安全性に関するSASB基準に沿った情報開示
SASB コード 会計メトリクス 当社開示情報
SASB:HC-MS-250a.1 公表されたリコールの数、リコールされた総ユニット 各国規制当局のウェブサイト上に適切に開示
例)米国FDA:Medical Device Recalls (fda.gov) 新規タブで開きます
SASB:HC-MS-250a.2 一般の医療製品の安全性又は有害事象の警告データベースに掲載されている製品 米国FDAの要求事項に基づき適切に開示
MedWatch: The FDA Safety Information and Adverse Event Reporting Program | FDA 新規タブで開きます
SASB:HC-MS-250a.3 製品に関連する死亡の数 米国FDAの要求事項に基づき適切に開示
MAUDE - Manufacturer and User Facility Device Experience (fda.gov) 新規タブで開きます
SASB:HC-MS-250a.4 適正製造規範(GMP)又は同等の基準の違反(violations)に対応して講じられた執行措置の種類別の数 以下のウェブサイトにて適切に開示
https://datadashboard.fda.gov/ora/cd/inspections.htm 新規タブで開きます

2027年3月期:中期目標・KPI

関連リンク

医療事業を通じた社会への貢献

オリンパスの医療事業を通じた社会への貢献事例を紹介しています。