人を知る

顧客視点やビジネス感覚を磨いて新たな提案ができる開発者に

  • 研究・開発

メカニカルエンジニア

入社の動機

大学では機械工学を専攻し、環境分野の研究室に所属していました。地球規模での環境問題への取り組みはひじょうに興味深く、やりがいのあるものでした。ただ、就職を現実的に考えた時には、仕事に結びつける難しさに直面しました。そこで、環境と同じようにグローバルな視点で自分が取り組んでみたいことを検討してみたところ、医療に対する興味がわき上がってきました。医療は今後さらに発展していく分野であり、取り組むべき課題も多いだろう。そんな思いから、医療関連の仕事に自分の力を注いでいきたいと考えるようになりました。

大学の専攻を生かせる電気メーカー系の中でもとくに、医療事業を手がけている企業に絞って就職活動をしていたところ、消化器内視鏡の分野でトップシェアを持つ、オリンパスに興味を引かれました。母体の大きな企業では扱っている事業が多く、医療分野の仕事を希望しても叶わないかもしれない。でも、医療事業にウェイトを置いているオリンパスなら、「医療をやりたい」という自分の希望も通りやすいだろうと考え、オリンパスへの入社を決めました。

仕事の内容

私が所属しているグループでは、次世代に向けた超音波内視鏡の開発を行っています。超音波内視鏡とは、体内に挿入する内視鏡の先端部から超音波を発し、その反射信号によって対象部位を画像化し、診断に役立てる医療機器です。その中で私は、超音波内視鏡の内視鏡先端部に組み込まれる「超音波ユニット(振動子ユニット)」と呼ばれる部分の設計開発を担当しています。

オリンパスの医療部門では、開発者が企画段階から関わっていく特徴があります。そして、「担当した製品は一生面倒を見ることになる」と言われる通り、私自身も企画から設計、製造立ち上げ、製品の市場投入まで、さらにはその後の顧客フォローといったことにも、直接的または間接的に関わっています。

業務を行ううえでは、常に仮説を立てて、一つひとつの課題をクリアしていくことを大切にしています。その過程で難しい課題にぶつかった時は、何が原因なのか、さまざまな可能性を考えて検証してみる。その"読み"が当たる時もあれば、外れる時もありますが、その日々の経験の積み重ねが、仕事の面白さにつながっています。

やりがい

超音波内視鏡は、まだそれほど普及している医療機器ではありません。しかし、体内の深部まで検査できるという強みがあります。例えば、胃や腸の裏側にある膵臓のがんは、ほかの検査方法では発見が難しく、命を落とす患者さんが少なくありません。超音波内視鏡は、そうした膵臓がんの早期発見に役立つツールとして期待を集めています。

超音波内視鏡を扱うには高度な技術が必要なので、医師も熟練の方が多く、その期待に応える製品の開発に携われることに、ひじょうにやりがいを感じています。医師にとってみれば、私は数多くいる開発者の1人にすぎませんが、学会などで声をかけていただくと「覚えてくださっているんだな」と光栄に思います。また、開発を担当した超音波内視鏡を、医師が学会で取り上げてくださっているのを聞いた時も、とてもうれしく思いました。これからも難しい病気の早期発見、早期治療に貢献していければと思っています。

モノをつくれば売れたかつての時代から、市場は大きく変化しています。そんな時代だからこそ、開発者にも、営業やマーケティングのような顧客のニーズを掘り下げて考えていく感覚が必要だと感じています。社内で先日、まさにそうしたことをテーマにした研修を受ける機会があり、たいへん感銘を受けました。今後はさらに、顧客視点やビジネス感覚を磨いて、積極的に新しいプロジェクトを立案・遂行していきたいと考えています。

苦心していること

チームのメンバーや上司、関係部署の方々など、周囲の理解を得ながら仕事を進めていくことの難しさを感じています。自分の考えで強引に進めていくことも、周りの意見に合わせて進めることもできますが、そういうスタンスではやはり、最終的にはうまくいきません。納得してもらえるまで丁寧に筋道を立てて説明をして、自分の意思を共有してもらう。そうして相手を巻き込むことが大切だと思っています。

そのためには、人に伝える技術も必要です。私は重要な場面では、単に資料や図面を見てもらうだけでなく、パワーポイントで作成したスライドなども活用しながら、プレゼンテーションするようにしています。そうすることで、相手により伝わりやすく、議論もスムーズになります。

職場の紹介

ベテランも新人も関係なく、意見を言い合える環境です。これは、私の部署だけでなく、オリンパス全体の社風だと思います。また、一人ひとりが開発者としての誇りを持って仕事をしているので、お互いの意見を尊重する風土もあり、議論をしていると、自分にはなかった視点に気づかされることもよくあります。さまざまな意見を大切にしながら、より良いモノづくりを目指す人たちが集まっていると思います。

オフでは、フットサルコミュニティを主宰しています。寮に住んでいた頃に始めたのですが、現在では40人くらいの参加者がいます。隔週土曜日に集まってプレーをしたり、交流のある他社のチームと対戦をしたりして楽しんでいます。仕事で忙しい時もありますが、時間はなるべくつくるようにしています。フットサルに限らず、やりたいことは多少無理をしてでもやる。そういう意識を持つことで、仕事の励みにもなりますし、効率化にもつながると思っています。

学生の皆さまへ

就職活動をしている皆さんには、残りの学生生活を楽しんで、学生時代にしかできないことをやり遂げてほしいと思いますね。楽しみ方が甘いと、あとあと悔いを残してしまうように思います。大学で取り組んでいる研究はもちろん、遊ぶこともしっかりやりきってください。

また、就職を考える時には、仕事だけでなく、プライベートのことも視野に入れたほうがいいと思います。その両方のバランスを取らないと、どちらもうまくいかなくなってしまうものだと思うのです。ですから、先輩社員と話す機会がある時は、仕事はもちろん、プライベートが充実しているかどうかも聞いてみるといいでしょう。

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